あなたのところに大きな望遠鏡がやってくる

2019年(平成31年)1月の星空情報【部分日食に夜明けに金星と木星】【ウィルタネン彗星情報追加!】

1月1日~4日夜明け前に月と金星、木星がならぶ

元旦の初日の出の前、月が金星、木星とならんで見えます。初日の出前に眺めてから見ると最高の年になると思います。

2019年1月1日~4日午前6時ごろの東の空(月と金星と木星がならびます。)

2019年1月1日~4日午前6時ごろの東の空(月と金星と木星がならびます。:印刷用)

2019年1月1日午前6時ごろの東の空

1月3日午前6時ごろの東の空

1月4日午前6時ごろの東の空

見えました!!

 

1月4日しぶんぎ座流星群がピーク(極大)

三大流星群(しぶんぎ座流星群、ペルセウス座流星群、ふたご座流星群)のうち年の初めに見られるのが「しぶんぎ座流星群」です。「しぶんぎ座」という星座は昔あった星座で、今の「りゅう座」と「うしかい座」の境界あたりにあった星座です。国際天文学連合で1928年の総会で、星座の境界と名前、数を決めたときに正式に廃止されました。

かつて国際天文学連合本部があったパリ天文台と。現在の事務局は写真右手奥の「パリ天体物理研究所」

その後、放射点(輻射点)のある星座と恒星の名前から「りゅう座ι(イオタ)流星群」とされましたが、「しぶんぎ座流星群」の方が一般によく呼ばれてきました。2009年8月の国際天文学連合総会で流星群の名称を統一して決定したときに「Quadrantids(四分儀座の意味)」とされました。その後、国立天文台でも日本名を「しぶんぎ座流星群」と決定しました。今は存在しない星座が流星群の名前として残っています。

2019年1月4日午前5時のしぶんぎ座流星群予想図

2019年1月4日午前5時のしぶんぎ座流星群予想図(印刷用)

毎年1月1日から5日ごろに見られ、「ピークが鋭い流星群」です。つまり短時間のピーク時間に集中して見られる流星群で、1時間あたり100個ほど見られるいちばんのピーク時間は1時間から長くても3~4時間ほど。そして2019年のピーク予想は日本時間の午前11時、つまり昼間となり、残念ながら日本ではピーク時間の前に夜明けになってしまいます。

2017年のしぶんぎ座流星群の流星(この年は肉眼でのピークは2時間弱でした。)

月明かりの心配がないのですが、ピークの5時間前に薄明が始まりますので、あまり期待できません。しかし、ピーク前にも数は少ないのですが見えるチャンスはあります。暗い流星も多いので、空のできるだけ暗いところで見たほうがいいでしょう。しかし、寒い時期なので山地などでは凍結や積雪にはじゅうぶん注意してください。

なお、4日の夜明け前は上記のとおり金星、木星と月がならびます!

1月6日 金星が「西方最大離角」

金星、水星は地球より内側をまわっているので、太陽から極端に離れて見えることはありません。夜中には見えないのです。

水星や金星(内惑星)の見え方

今回は金星が西方最大離角、つまり夜明け前に太陽から西側つまり、東の空高く見えることになります。

【最大光度】は過ぎましたからわずかに暗くはなっているのですが0.2等ほどの差しかありません。明けの明星の明るさはすばらしいものです。近くに木星も明るく見えます。

2019年1月6日午前6時ごろの東の空【金星が西方最大離角】

2019年1月6日午前6時ごろの東の空【金星が西方最大離角】(印刷用)

木星の近くに夏の星座、さそり座のアンタレスも赤く見えます。真冬に見る「真夏の星」もいいものです。

1月6日【部分日食】が全国で見られます。

2019年1月6日部分日食09:41(大阪富田林市)

今回は「皆既日食」や「金環日食」がない世界でも「部分日食」のみの日食です。日本では北の方ほど食が深く(大きく欠ける)なります。(この記事の下部に各地の時刻と欠け方を記載しています。)

2019年1月6日【部分日食の見え方、方位】大阪基準ですが方位は全国同様に南東です。

【速報!】大阪富田林から観測

2019年1月6日部分日食09:41(大阪富田林市)

12cm望遠鏡による部分日食11:04

雲の中でしたが何とか撮影できました!インスタグラム中継も行いました!次回は2019年12月26日夕方(見えない地域あり)2020年6月21日夕方は全国で見られます。

 

今回は部分日食のみですから皆既日食のように真っ暗になったり、2012年の金環日食のように薄暗く、寒くなったりしません。これは黒い欠けた部分が【月】。これがちょうど太陽を全部隠すほど重ならないからです。

部分日食(2012年の金環日食前)

【観察には要注意!】

太陽の観察はじゅうぶん注意してください。肉眼で太陽を直視するのも危険です。

  • 望遠鏡や双眼鏡を絶対に太陽に向けないでください
  • 太陽観察専用のフィルター以外は使わないでください
  • フィルム、下敷きなどを透けさせて見ると目を傷めたり失明の危険があります
  • 長時間の観察はさけましょう
  • 写真撮影にはカメラを太陽に直接向けないでください。故障します。

このような太陽観察は危険です!

レンズは火災の原因にもなりますので注意してください。

安全な観察方法①

ピンホール投影法

小さな穴をあけた厚紙などで地面に投影する方法です。また、木漏れ日が日食の形になるのを見るのもいいでしょう。ピンホール法では、はっきりとは見えません。今回は部分日食で日本では南の地域では欠け方が小さく、わかりにくいかもしれません。

安全な観察方法②

日食フィルター・日食めがね

やはりはっきり見るには・・・日食観察用のフィルター、日食めがね、日食グラスを使って見る方法です。この場合も長時間の観察には気をつけてください。また望遠鏡や双眼鏡と組み合わせて使うのは危険です。

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今回はあまり大きく欠けない!

今回は緯度が北ほど大きく欠けます。逆に南の地域ではあまり欠けません。太陽のみかけの大きさは手を伸ばした先の五円玉の穴の中に入るほどの大きさしかありません。見えにくいときは特殊な太陽望遠鏡があればいいのですが、あまりにも高価です。その代わり、太陽対応の小型オペラグラスというものもあります。倍率は低いのですが、日食観察にはじゅうぶんなものです。

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1月6日【部分日食】各地の太陽の欠け方と時刻

日曜日ですから観察には最適なのですが、何時ごろ、どのように欠けるのかは計算が必要です。国立天文台でお住まいの地域を指定して正確な時刻を計算するのがいいのですが、画面が小さく、ちょっと使いにくい・・・という方へ!だいたい知れればいいときは代表的な地域の見え方を図解いたします!

国立天文台暦計算室

北海道 札幌

2019年1月6日 部分日食【札幌】

札幌市内基準では食分が0.5以上と半分以上欠けます!今回は北海道の方はいちばん有利です!

宮城県 仙台

2019年1月6日 部分日食【仙台】

東北地方ではだいたい0.5前後、半分ほど欠けて見えます。日食グラスでもじゅうぶん見えるでしょう。

東京都 東京

2019年1月6日 部分日食【東京】

東京都山の手線内を基準に計算しています。だいたい4割というところでしょうか。

愛知県 名古屋(「名鉄」名鉄名古屋駅<旧新名古屋駅>)

2019年1月6日 部分日食【名古屋】

名古屋市内基準では4割には達しませんが、北東が少しかけているように見えます。

大阪府 大阪

2019年1月6日 部分日食【大阪】

大阪市内基準です。緯度は名古屋とあまり変わりません。少し欠け方が小さくなります。

広島県 広島

2019年1月6日 部分日食【広島】

山陽地方も近畿とあまり差がありませんが少しずつ欠け方が小さくなります。また日食の時間も短くなります。

福岡県 福岡

2019年1月6日 部分日食【福岡】

北九州ではやはり3割ほどになります。できたらオペラグラスタイプの日食グラスがほしいところです。日食グラスの見口にスマートフォンのカメラレンズをつけてズームをかけると写真撮影で見やすくなるかもしれません。

※一眼レフやミラーレスなどの大きなレンズのカメラは絶対に使わないでください!

鹿児島県 鹿児島

2019年1月6日 部分日食【鹿児島】

南九州では3割未満です。ちょっと見えにくいですが、いちばん欠ける午前10時前後を狙いましょう!

沖縄県 那覇

2019年1月6日 部分日食【那覇】

沖縄はわずか1.5割かそれ以下!かなりきびしいのですが見えなくはありません!天候がよければぜひ観察してみてください!少しだけ欠けた太陽もいいものです。見えにくいことも考えられますので、上記の日食オペラグラスがおすすめです。


以上が代表的な地点での計算ですが、【特定地域】も計算しました!

【大阪府富田林市】(天文台地元)

2019年1月6日 部分日食【富田林市】

那須香大阪天文台、事務局の所在地。プラネタリウムもある【すばるホール】のある富田林市です。大阪府でも富田林市での部分日食の見え方はちょっと違います。南河内は緯度の違いでこうなります。

【愛知県豊川市】(「名鉄」豊川稲荷駅)

2019年1月6日 部分日食【愛知県豊川市】

プラネタリウムもある「ジオスペース館」があります愛知県豊川市、市役所やジオスペース館を基準に計算しました。豊橋でもこれくらいです。「(名鉄)豊川稲荷(駅)」でもこのように見えます!

名鉄1000系パノラマSper

南東ですからこの1C・1D席あたりでいかがでしょう!!

【広島県尾道市】(天文台発足地:アニメ・映画の聖地)

2019年1月6日 部分日食【広島県尾道市】

広島市とほぼ同様ですが、あえて!那須香大阪天文台の発祥の地でもあります!また2018秋アニメ【ソラとウミのアイダ】(原作ゲームでも)の聖地でもあります。大林宣彦監督の尾道三部作「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」、新尾道三部作「ふたり」「あした」「あの、夏の日」、アニメでは「かみちゅ」、そして近くの竹原市では「たまゆら・・・数々の名作の聖地でもあります!(「この世界の片隅に」をご希望の方は呉市は「広島」基準の方が時刻などは近くなります。)「聖地巡礼」のついでに見る方はこちらで!もちろん千光寺が方角視界ともに最高!向島(むかいじま)の上に日食が!マニアックな方はその他いろいろあります。(向島なら城山の東側の海岸線とかあえて瀬戸田から山の稜線ごし(ふたりマラソンロード付近)に見るなど・・・)

【長崎県長崎市】(旧在所:「色づく世界の明日から」「艦隊これくしょん」などの聖地)

2019年1月6日 部分日食【長崎県長崎市】

福岡とほぼ同じようですが、時刻にずれがあります。貴重な食の最大の時刻前後を有効に使っていただきたいと。

ここは尾道市の前の私の在所でもありますし、2018年秋アニメ【色づく世界の明日から】の【聖地】【舞台】でもあります!今期イチオシのヒロイン月白瞳美(個人的に)とあの作画が神がかってます!長崎がなつかしい・・・

それはともかく、南東やや低めですからアニメの舞台の大浦、出雲の公園より、長崎定番の夜景スポットの向かい側の稲佐山展望台の方がいいと思います。唐八景公園や風頭の公園あたりまで上がるか、もしくは三菱造船側(戦艦武蔵や空母隼鷹などの建造地)からの方からがおすすめです!(20~30年前の情報ですので景色が違っていたらすみません!でもまだ覚えてるんですね。アニメ見ていたら懐かしくて・・・)

ともかく安全第一でお楽しみください!

那須香大阪天文台は太陽観測に最適な望遠鏡でSNS、ホームページなどで中継、速報などの観測対応をいたします。

次に日食(部分日食)が見られるのは2019年12月26日夕方(見えない地域あり)2020年6月21日夕方は全国で見られます。

1月22日~23日夜明け前、金星と木星がならぶ

「明けの明星」金星と「更けの明星」木星が夜明け前の東の空で接近(会合)します。

2019年1月22日~23日午前6時の南東の空

2019年1月22日~23日午前6時の南東の空(印刷用)

マイナス4等の金星とマイナス2等級の木星の接近です!夜明け前のウォーキングがてら眺めると迫力満点です!こちらは日本全国で見られます。

1月29日~2月2日月と木星、金星がならぶ

2019年1月29日~2月3日午前6時の南東の空

2019年1月29日~2月3日午前6時の南東の空(印刷用)

1月29日から2月2日にかけては夜明け前の金星、木星に加えて細い月がならびます。さらに豪華な夜明け前の空。日の出が遅いので見えやすい時期ですが、周囲の安全に気をつけてお楽しみください!

ウィルタネン彗星(46P)情報

ウィルタネン彗星(12cm望遠鏡)2018年12月15日午前1時:和歌山県九度山町

予想以上に明るく見えた「ウィルタネン彗星(46P)」別の記事で「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の舞台のモデル「リック天文台」で発見され、ヴァイオレットの「ブローチ色(エメラルドグリーン)」の彗星と紹介しましたが、1月も少し暗くなりながらも、空の状態がいいところでは見ることができます。明るさは5等から6等ほどのぼんやりした天体となりますので、暗い空で大きな望遠鏡が望ましいと思います。那須香大阪天文台では写真で追跡します。

2019年1月2月のウィルタネン彗星(46P)の位置

2019年1月2月のウィルタネン彗星(46P)の位置(印刷用)

「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の彗星「ウィルタネン彗星」が見えた!

1月の月情報

  • 3日頃 有明の月
  • 6日 新月(New Moon)部分日食
  • 8日 二日月(Paper Moon)
  • 9日 三日月
  • 14日 上弦(First Quarter Moon)
  • 16日 十日夜
  • 19日 十三夜
  • 20日 小望月
  • 21日 満月(Full Wolf Moon)
  • 22日 十六夜
  • 23日 立待月
  • 24日 居待月
  • 25日 寝待月
  • 26日 更待月
  • 28日 下弦(Last Quarter Moon)

 

厳冬期ですが夜空はいつも変化しています。寒さ対策をして星空をお楽しみください!(今回は日食もありスペシャル<マニアック>バージョンでお届けしました!)

★那須香大阪天文台の星空情報★

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