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2021年(令和3年)4月の星空 木星、土星、月がならぶ、ピンクムーン

2021年4月の星空

6日から8日の日の出前に木星と土星と月がならびます。火星は離れましたがまだ1.5等の明るさがあり、夕方の西の空に見えます。17日には月とならんで見えます。宵のうちには冬の大三角を含めた冬の星座もまだ西の空に見ることができますが春の大三角も東の空から昇ってきます。27日は満月で「フル・ピンクムーン」の名前もあります。暦では3月4日が清明、17日が春の土用の入り、20日が穀雨です。

 

4月4日 清明

天文学では太陽の位置、黄経が15°になるとき(22:35)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。すべてのものが明るく清々しくなるころとされています。これだけでは季節のようすをあらわしていないようですが、中国では「清明節」という先祖供養のお祭りがあります。春の陽気が漂い生き物が清々しく息づく頃という意味でもあります。三月節でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあるのですが清明の意味自体が季節とあまりかかわりがないようですね。日本ではそろそろ春の陽気が感じられる頃でお花見の季節ですが、「花冷え」もある季節です。

また清明から穀雨の前日までの期間を清明と呼ぶことがあります。ソメイヨシノが満開となりお花見のシーズンですし、後半は八重桜の咲く頃でまさに各地でのお花見のシーズンとなります。

 

4月6日~4月8日 月と木星、土星がならぶ

夜明け前の南東の空で月と木星、土星がならびます。木星、土星とも明るく月とのならびは美しいでしょう。

2021年4月6日~8日夜明け前の南東の空

2021年4月6日~8日夜明け前の南東の空(印刷用)

 

4月17日 春の土用の入り

「土用」とは雑節のひとつ、もともとは中国の思想、「陰陽五行説」によるもので、五行説では万事が「木、火、金、水、土」でできていると考えられそれらの「気」が活発になる季節をあてはめ、春には木気、夏には火気、秋には金気、冬には水気と四つを割り当てました。残った「土」、土気はそれぞれの季節の変わり目に割り当てることとしたのです。これが「土用」です。土用の期間は年に4回あり、土気が盛んになるので、土木に関することや建築などでの穴掘り等の土を動かすことが禁忌とされたのです。「雑節」のひとつでもあり、有名なのは立秋前の夏の土用で、土用の丑の日に鰻を食べて夏の暑さを乗り切ろうとすることです。各土用の入りの日があり、最終の日は土用明けで節分となります。季節の変わり目を意味し、今では太陽の位置(黄経)を基準に決められています。(定気法)

春の土用の入りは太陽黄経が27°になるとき(03:54)です。土用明け節分(立夏前の節分)は5月4日で翌日は立夏です。雑節は日本の気候風土にも合わせてあり、この頃は季節の変わり目で体調を崩しやすいとされています。春の土用は寒い冬から暖かくなる春へと季節が変わるという季節の変わり目、また衣替えなどの節目でもあります。食べるとよいものなどが(夏土用の鰻のように)紹介されたりしていますが五行思想を無理に当てはめたりしているものなので科学的な意味はありません。バランスの良い食生活やじゅうぶんな睡眠などの方が重要です。

 

4月17日 月と火星がならぶ

昨年の接近から遠くなった火星ですがまだ1.5等の明るさがあり、4月17日に月と近く並びます。非常に近くなり、東南アジアでは火星食も見られます。

2021年4月16日~17日 西の空

2021年4月16日~17日 西の空(印刷用)

 

4月20日 穀雨

天文学では太陽の位置、黄経が30°になるとき(05:33)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。田畑で穀物を植える用意ができ、春の雨が降って育むころとされています。三月中でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。日本ではこの頃から特に雨が多くなるとはいえません。むしろ水田に水を引くのは梅雨入り前というイメージですね。日本ではそろそろ春の陽気が深まり、もうこの頃には寒さを感じることがなくなるという季節です。

また穀雨から立夏の前日までの期間を穀雨と呼ぶことがあります。ゴールデンウィークもあり、晴れる時もあれば雨の日もありという行楽シーズンでもあります。

 

 

4月27日、満月(Full Moon)「Full Pink Moon(フル・ピンク・ムーン)」!

「Full Pink Moon(フル・ピンク・ムーン)」

北米ではネイティブ・アメリカンでは”Full Pink Moon”と呼ばれます。【ブルームーン】ではなく【ピンクムーン】!?この「ピンク」は日本の桜ではなく、”Moss Pink”(野生の芝桜)のことです。または”Ground phlox”(野生のフロックス:クサキョウチクトウ)の咲く季節の月という意味です。初春を告げる花で、北米ではこの季節に山や丘がピンク色に染まるそうです。日本では4月のピンク色といえば桜ですが、感覚的には一面がソメイヨシノで染まる山というところでしょうか。それほどの桜はなかなかありませんが那須香大阪天文台の近く「滝谷公園」はまさに一山ピンクに染まります。近鉄長野線、滝谷不動駅からすぐで、近鉄長野線「川西」ー「滝谷不動」ー「汐の宮」間でも走行中に東側の車窓から見えます。

「Full Sprouting Grass Moon(フル・スプローティング・グラス・ムーン)」

これは草の芽吹く月という意味です。春の訪れを告げるという名前です。

「Full Fish Moon(フル・フィッシュ・ムーン)」

この”Fish”魚は日本ではなじみのない「アロサ(Alosinae)」というニシン科の魚のなかまで、産卵のために川を遡上する生態があります。北米では「シャッド”Shad”」と呼ばれることもあります。バージニア州ではこのシャッドの遡上の漁の季節からさまざまな行事があるそうです。最近は河川の改修で遡上できなくなったところもあり、保護活動もあります。日本では遡上といえば鮭ですが、こちらも河川問題がありますのでそのような感じでしょうか・・・。ただ鮭の場合は秋から冬が遡上の季節です。

 

 

4月の情報(満月の詳細は上記)

 

  • 1日 更待月
  • 4日 下弦(Last Quarter Moon)
  • 10日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
  • 12日 新月.朔(New Moon)
  • 13日 二日月(Paper Moon)
  • 14日 三日月(Waxing Crescent Moon)
  • 20日 上弦(First Quarter Moon)
  • 24日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
  • 27日 満月(Full Moon),望(Full Pink Moon)
  • 27日 十六夜※旧暦ではこうなります。
  • 28日 立待月
  • 29日 居待月
  • 30日 寝待月

★那須香大阪天文台の星空情報★

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