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2021年(令和3年)3月の星空 水星が西方最大離角、水星、木星、土星がならぶ、春分の日、ワームムーン

2021年3月の星空

6日、水星が西方最大離角となり、日の出前の東の空に見えます。木星と土星も夜明け前に見えていて10日から11日には月、水星とならんで見えます。火星は離れましたがまだ1等級の明るさがあり、夕方の西の空に見えます。19日から20日には月とならんで見えます。宵のうちには冬の大三角を含めた冬の星座もまだ見ることができます。20日は春分の日で祝日です。29日は満月で「フル・ワームムーン」の名前もあります。暦では3月5日が啓蟄、17日が春の彼岸の入り、20日が春分です。

 

3月5日 啓蟄

天文学では太陽の位置、黄経が345°になるとき(17:54)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。大地が温かくなり、冬眠をしていた虫やカエルなどの動物が穴から出てくるころとされています。二月節でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。日本ではまだまだ寒さが厳しい日が多く、春と呼ぶには早いような季節です。

また啓蟄から春分の前日までの期間を啓蟄と呼ぶことがあります。まだまだ春を迎えるには日本では早い頃ですが、冬の寒さがいくぶんやわらぐ季節です。ふきのとうが芽を出し花を咲き始めるころでしょう。虫やカエルが出てくるには早いでしょうが、少しづつ冬の寒さがやわらぐ日が多くなってくるでしょう。

 

3月6日 水星が西方最大離角

3月6日、水星が西方最大離角となり、太陽から西にいちばん離れて見えます。夜明け前、東の空低くに見ることができるチャンスとなります。

水星、金星の位置と見え方

水星のすぐ近くに木星が明るくならんでいますから目印になります。近くには土星も見えます。金星は太陽に近く見えませんので明るく見えれば木星です。

2021年3月6日 水星が西方最大離角

2021年3月6日 水星が西方最大離角(印刷用)

 

3月10日~11日 水星、木星、土星と月がならぶ

夜明け前の東の空低い位置で水星、木星、土星と月がならびます。夜明け前のしかも高度が低い位置ですがチャンスがあれば見てみたいものです。木星、土星は昨年末まで夕方の西の空でならんでいました。

2121年3月10日~11日夜明け前の東の空

2121年3月10日~11日夜明け前の東の空(印刷用)

 

3月17日 春の彼岸の入り

雑節のひとつで、春分(今年は3月20日)、秋分を中日として前後各3日をあわせた7日間のことを「彼岸」と言い、その初日を彼岸の入りと呼びます。また最後の日を彼岸の明けと呼びます。仏教に関連する言葉で、亡くなった先祖は彼岸にはこの世を訪れ、極楽浄土は西方にあることから西に沈む太陽を拝めばご利益があるともいわれます。(ですから墓参りもします。)

彼岸とはサンスクリット語のpāram(パーラム)からきていると言われ、仏教用語の「波羅蜜」(Pāramitā パーラミター)を語源とするといわれます。仏教では(宗派によって違うかもしれません!ここは天文台ですので!)中日に先祖に感謝し、前後のあわせて6日は、悟りの境地に達するのに必要な6つの徳「六波羅蜜」を1日に1つずつ修める日とされているそうです。

 

 

3月19日 月と火星、アルデバランがならぶ

3月19日、月と火星、おうし座のアルデバランがならびます。アルデバランの近くにはヒアデス星団、プレアデス星団(すばる)もありますからにぎやかな眺めになるでしょう。

2021年3月18日~20日の西の空

2021年3月18日~20日の西の空(印刷用)

 

3月20日 春分(春分日、春分の日)

天文学では太陽の位置、黄経が0°になるとき(18:37)、また二十四節季のひとつでありその日のことを「春分日」と言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。旧暦二月内でもあります。旧暦では1月から3月を春としていました。これは中国から伝わったものですから日本では気候でも感覚でもずれがあります。今の日本では春分の日あたりから少しづつ暖かい日が増えて春の気配が感じられる頃になり、まだまだ寒さを感じる日も多い季節ですね。

日本では「春分の日」として国民の祝日となります。この日が休日とされたのは1879年(明治12年)からで「春季皇霊祭」という祝日でした。つまり天皇、皇族の祖霊を祭る日とされていました。「春分の日」となったのは1948年(昭和23年)に公布・施行された国民の祝日に関する法律(「祝日法」、昭和23年法律第178号)からです。この法律では、「自然をたたえ、生物をいつくしむ。」ことをその趣旨としています。また、祝日法上ではその日を「春分日」としており、日付を指定していません。

国民の祝日としての春分の日は、国立天文台が発行する「暦象年表」という小冊子に基づき、定気法によって算出した「春分日」を基にして、前年の2月第1平日付の官報の公告(特殊法人等)欄で暦要項として公告されます。この暦要項は、閣議決定等はされず、閣議報告事項でもありません。ですから「春分の日」は天文学によって定められているとも言えます。(秋分の日も同様です。)このように天文学によってなされる国民の祝日は世界的に見ても非常に珍しいものです。

春分日には、太陽は真東から昇って真西に沈みます。また北極点(もしくは南極点)で見ると、春分の太陽は地平線と重なってまわり、昇ることも沈むこともなくぐるっと一周します。また昼と夜の時間が「ほぼ」同じにはなるのですが、実際は平均すると約14分昼のほうが長くなります。これは大気による屈折のため実際より太陽が上に見える(大気差)ことや、月没が月の中心が没することと違い、日の出、日の入りは太陽の上端が地平線と一致した時刻を日出または日没と定義しているため、太陽の視直径の半分、日出が早く、日没が遅くなることなどがその理由です。

 

3月29日、満月(Full Moon)「Full Worm Moon(フル・ワーム・ムーン)」!

「Full Worm Moon(フル・ワーム・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは3月の満月を「Full Worm Moon(フル・ワーム・ムーン)」と呼ばれます。これはワーム(土中の虫)が暖かくなり活動を始める季節の月だからです。ようやく暖かくなるということで次の呼び名があります。

「Full Crow Moon(フル・クロー・ムーン)」

これはカラス月というちょっと面白い名前ですね。しかし北部のネイティブ・アメリカンの部族に呼ばれた名前で、やっとカラスの鳴き声が春の訪れを告げるというのと同時に厳しかった冬を示す名前です。

「Full Crust Moon(フル・クラスト・ムーン)」

これは雪が昼間にとけて夜の寒さで氷塊になる季節という意味だそうです。

「Full Suger Moon(フル・シュガー・ムーン)」

「Full Sap Moon(フル・サップ・ムーン)」

これもネイティブ・アメリカンの名前で、Suger Moon「砂糖月」とSap Moon「樹液月」これはカエデから樹液が出始める季節という意味だそうです。カエデの樹液はメープル・シロップとして重宝されます。そんな甘い季節の月という意味があるそうです。

「Full Egg Moon(フル・エッグ・ムーン)」

これは「イースターエッグ」からです。イースター(復活祭)はもともと古代ヨーロッパの習慣で「春分祭」でしたが、キリスト教の広がりでキリストの復活した祭日として知られています。これはクリスマスがなぜ12月25日なのか?とよく似ていますね。ちなみにイースターは春分の日の次の満月の直近の日曜日とされていますので、春分の日(2021年は3月20日)の次の満月はこの3月29日の月です。

 

3月の情報(満月の詳細は上記)

 

  • 1日 居待月
  • 2日 寝待月
  • 3日 更待月
  • 6日 下弦(Last Quarter Moon)
  • 11日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
  • 13日 新月.朔(New Moon)
  • 14日 二日月(Paper Moon)
  • 15日 三日月(Waxing Crescent Moon)
  • 21日 上弦(First Quarter Moon)
  • 25日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
  • 29日 満月(Full Moon),望(Full Snow Moon)
  • 28日 十六夜※旧暦ではこうなります。
  • 29日 立待月
  • 30日 居待月
  • 31日 寝待月

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