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2020年(令和2年)8月の星空 木星、土星、今年のペルセウス座流星群は?

2020年8月の星空

4日の満月は「フル・スタージョン・ムーン」ともよばれます。木星と土星が夜早々に見える位置になり、観望の好機です。12日にはペルセウス座流星群がピークを迎えます。13日には金星が西方最大離角となり、夜明け前の東の空高く見えます。今年の旧七夕(伝統的七夕)は25日です。

8月2日 月、木星、土星がならぶ

2020年8月1日~4日午後9時ごろの南東の空

2020年8月1日~4日午後9時ごろの南東の空(印刷用)

今年の夏から秋にかけて木星と土星がならんで見え、8月2日にはさらに月がならんで見えます。木星は月明りに負けずに輝きますが、土星は月明りが近いと少し暗く感じるかもしれません。肉眼で観察したり、スマートフォンなどで撮影に挑戦してみるのもいいでしょう。

 

8月4日 満月(Full Moon)「Full Sturgeon Moon(フル・スタージョン・ムーン)」その他多数の呼び名が!「スコッチ・ウィスキー」と関係ある月?

2020年8月4日の満月

見えました!

「Full Sturgeon Moon(フル・スタージョン・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンの部族では「Full Sturgeon Moon(フル・スタージョン・ムーン)」「チョウザメ月」と呼ばれます。意味は大きなチョウザメの仲間の「Sturgeon(スタージョン)」が湖や河川で捕獲できる時期だからです。ただこの魚は乱獲により絶滅危惧種となっています。北米大陸、内陸魚では最大の魚類でもあります。

別名、「Full Red Moon(フル・レッド・ムーン)」,「Full Green Corn Moon(フル・グリーン・コーン・ムーン)」「Full Fruit Moon(フル・フルーツ・ムーン)」「Full Barley Moon(フル・バーレイ・ムーン)」「Full Grain Moon(フル・グレイン・ムーン)」

「Full Red Moon(フル・レッド・ムーン)」

これは赤く見える月です。やはり月の通り道、白道が低く、夕日のように少し赤い月が見えることを呼んだ名前です。北米や北欧では特にこう見えるそうです。

昇る赤い月(2019年6月19日)

「Full Green Corn Moon(フル・グリーン・コーン・ムーン)」

これもネイティブ・アメリカンで、コーンが緑色に高く伸び、このグリーン・コーンの上に輝く月という意味です。収穫前に高く伸びたトウモロコシの月です。

「Full Fruit Moon(フル・フルーツ・ムーン)」

これは欧州が元になっているようですが、果実の収穫の時期ということでこの名前が伝えられています。確かに短い夏の果実の収穫時期でもあります。

「Full Barley Moon(フル・バーレイ・ムーン)」「Full Grain Moon(フル・グレイン・ムーン)」

これはイギリスが元になっているようです。大麦(Barlry)の収穫の時期ということでこの名前が伝えられているようです。穀物(Grain)収穫の月という意味です。スコットランドではこの収穫された大麦やグレーンから「スコッチ・ウィスキー」が生まれます。

8月7日 立秋

天文学では太陽の位置、黄経が135°になるとき(10:06)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。夏が極まり秋の気配が立ち始める日とされ、7月節でもあります。旧暦では7月から9月を秋としていました。これは中国から伝わったものですから日本では気候でも感覚でもずれがあります。日本ではまだ猛暑の季節であり、立秋の翌日からの暑さを「残暑」と呼びます。「暑中見舞い」もこの立秋以降は「残暑見舞い」となります。また気候でも、この日までに梅雨が明けない場合、梅雨明けの発表はされず、「梅雨明けなし」となります。

また立秋から処暑の前日までの期間を立秋と呼ぶことがあり、初秋の頃となります。また7月節以降が旧暦の秋でもあり、沖縄県では旧暦7月15日のお盆、盂蘭盆会とあわせ「エイサー」の起源とされ、戦後はこの立秋、7月節以降に盛んに行事として行われるようになりました。

8月12日ペルセウス座流星群が極大(ピーク)

毎年この頃にピークになり、話題になる「ペルセウス座流星群」ですが、今年は8月12日午後10時ごろが極大(ピーク)と予想されます。当日は下弦の月で、夜中以降には月明りの影響があります。宵のうちは放射点(輻射点)が北東に低いのですが、ピークの夜10時ごろから夜半までが観察のチャンスとなるでしょう。

2020年8月12日午後10時ごろの北の空

2020年8月12日午後10時ごろの北の空(印刷用)

画像では北東の放射点(輻射点)の位置を示していますが、流星は全天でどこに出現するかわかりません。天頂付近を中心に空を広く眺めるとよりたくさんの流星を見ることができるでしょう。午後10時では放射点(輻射点)がまだ低く、条件はいいとは言えませんが、夜中には月が昇ってくるので月明りの影響がない夜半までがいちばんの見ごろとなると予想されます。一時間あたりの出現数は全天で数十個と予想されます。

8月13日、金星が西方最大離角

金星は「宵の明星」「明けの明星」として知られ、今は夜明け前の東の空で「明けの明星」として輝いています。その金星が太陽からいちばん離れて見えるときが「最大離角」です。太陽から西に離れるときと東に離れるときとふたつあり、今回は西に離れます。

内惑星の位置と見え方

内惑星の位置と見え方(印刷用)

西に離れるときは夜明け前の東の空に見えます。特に金星はこのときに空高く、時間でも夜明け前よりかなり早く東の空から昇ります。

2020年8月13日午前4時ごろの東の空

2020年8月13日午前4時ごろの東の空(印刷用)

 

8月16日 月と金星がならぶ

2020年8月15日~17日午前4時ごろの東の空

2020年8月15日~17日午前4時ごろの東の空(印刷用)

8月16日の夜明け前の東の空で13日に西方最大離角を迎えた金星が月とならびます。夜明け前の美しい光景となるでしょう。

8月18日 はくちょう座κ(カッパ)流星群が極大(ピーク)

午前3時ごろにピークと予想されます。この流星群は多くても1時間あたり数個という数はあまり多くありません。しかし明るい流星が多く、火球もみられることがあることで知られています。またペルセウス座流星群を観測中に、この流星群の明るい流星が見られることもあります。7年周期で活発になることが知られていて次の予想は来年2021年です。今年は翌日が新月という月の条件は良い年です。

8月23日 処暑

天文学では太陽の位置、黄経が150°になるとき(00:45)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。文字の通り暑さが峠を越えて過ぎる、涼しくなりはじめるころとされ、7月中でもあります。旧暦の7月は秋とされています。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。

また処暑から白露の前日までの期間を処暑と呼ぶことがあります。この頃は台風が上陸、接近することがよくあります。

8月25日、「旧七夕」「伝統的七夕」

8月25日は旧暦の7月7日、七夕の日です。今は暦(カレンダー)が変わりましたが、昔の七夕はこの頃だったのです。今のカレンダーでは梅雨の最中になって星の祭りとは合わなくなてしまいます。2019年は8月7日でちょうど新暦と1か月の差でしたが、2020年(令和2年)は旧暦4月の後に閏(うるう)4月があったので(閏月があったので)新暦8月25日、8月下旬となりました。もう秋が近いのでは?と感じるかもしれませんが、それで正解!旧暦では7月~9月が秋なので、七夕とは「秋」の行事なのです。俳句や短歌でも重要な「季語」でも七夕は初秋の季語になっています。

七夕は中国から伝わった行事で、中国の南北朝時代の記述にも牽牛、織女が合うと記述され、針仕事の上達を願って7本の針に糸を通して供えたとされています。日本に伝わったのは奈良時代なのですが、日本にもともとあった棚機津女(たなばたつめ)の伝説と合わさったものと言われています。これは旧暦7月15日の夜に水の神が下りてくるということで、その地で選ばれた乙女が「たな」(棚)という水辺の地で「はた」(機)という織機で布を織って供えたという神事です。これも本来は旧暦7月15日の「お盆」の行事と関連するものといわれています。「七夕」(中国から伝わったときは「しちせき」)と書いて「たなばた」と読むのもこのことからと言われています。一方、笹竹に短冊に願いを書いて下げる習慣は暑気払いに神社でも設置される茅の輪の両脇の笹竹に由来するもので日本独自のものです。

この頃(旧暦)に合わせた(新暦でひと月遅らせた)七夕の行事もあります。日本一と呼ばれる仙台七夕まつりもこの旧暦にあわせて新暦からひと月遅らせて8月7日に例年なら行われますが、本年は新型コロナウィルス拡大防止のため中止となっています。また京都の七夕も伝統的七夕に合わせて行われますがこちらも新型コロナウィルス拡大防止のため、ライトアップ等は中止となっております。公式サイトをご確認ください。オンライン願い事を受け付けています。

https://kyonotanabata.kyoto.travel/

8月29日 月と木星、土星がならぶ

2020年8月27日~30日午後8時ごろ南の空

2020年8月27日~30日午後8時ごろ南の空(印刷用)

8月2日に続き、今月はもう一度、月と木星、土星がならんで見えます。時刻は少し早め、方角は南にあるときで作図しましたが、夜遅くに西の空でも見えます。木星は月明りに負けずに輝きますが、土星は月明りが近いと少し暗く感じるかもしれません。肉眼で観察したり、スマートフォンなどで撮影に挑戦してみるのもいいでしょう。

8月31日 二百十日

これは立春(2020年は2月4日)を起算日として210日(立春から209日後)にあたる日です。「雑節」のひとつでこれは日本の気候風土に合わせたもので中国からのものではありません。(雑節は日本の気候に合わせてつけられたものです。)例年では9月1日あたりになり、本年のように閏(うるう)年では8月31日になります。

八朔(旧暦の八月一日、朔日:今年は9月17日)や二百二十日(今年は9月10日)とともに、農業にとって三大厄日とされていて、台風襲来の特異日ともされています。このことから大阪府の枚岡神社、奈良県の大和(おおやまと)神社(戦艦大和の艦内神社また戦艦大和はじめ坊ノ岬沖海戦の戦没者を合祀しています。)などでは「風鎮祭」が行われます。また富山県富山市八尾の「おわら風の盆」も風鎮めの行事が起源となっています。(新型コロナウィルス拡大防止のため2020年の開催は中止)また1923年9月1日に発生した関東大震災(当時の暦では二百九日にあたる)とともに9月1日の「防災の日」が1960年(昭和35年)に制定されることにつながりました。

8月の情報(満月の詳細は上記)

 

  • 2日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
  • 4日 十五夜
  • 4日 満月(Full Moon),望(Full Sturgeon Moon<Full Red Moon>…)
  • 5日 十六夜※旧暦ではこうなります。
  • 6日 立待月
  • 7日 居待月(Waning Gibbous Moon)
  • 8日 寝待月
  • 10日 更待月
  • 12日 下弦(Last Quarter Moon)
  • 17日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
  • 19日 新月.朔(New Moon)
  • 20日 二日月(Paper Moon)
  • 21日 三日月(Waxing Crescent Moon)
  • 26日 上弦(First Quarter Moon)
  • 31日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)

 

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