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2023年(令和5年)6月の星空 入梅、夏至、ストロベリームーン、金星が東方最大離角

2023年6月の星空

4日は満月で「フル・ストロベリー・ムーン」の名前もあります。同じく4日は金星が東方最大離角となり、夕方の西の空で高く、また時刻も遅くまで輝きます。また近くには少し暗くなった火星もならびます。14日には未明に月と木星が東の空でならびます。17日には東の空低く水星が月とならびます。暦では6月6日が芒種、11日が入梅、21日が夏至です。

 

 

6月4日、満月(Full Moon)「Full Strawberry Moon(フル・ストロベリー・ムーン)」

梅雨の時期、雲の隙間からの満月です

2019年6月17日午後11時ごろの月(フル・ストロベリームーン)

「Full Strawberry Moon(フル・ストロベリー・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは「Full Strawberry Moon(フル・ストロベリー・ムーン)」「イチゴ月」と呼ばれます。意味はイチゴの収穫の時期だからです。日本ではもう遅いと思うかもしれませんが、緯度の高い北米やヨーロッパではイチゴは夏の果物です。いいよこれから夏になるという季節のめやすです。

別名、「Full Rose Moon(フル・ローズ・ムーン)」,「Full Hot Moon(フル・ホット・ムーン)」

「Full Rose Moon(フル・ローズ・ムーン)」

現在ではバラの花はあまり季節の感覚がある花ではありません。四季を通して見られますが、これは栽培用に改良されたもの。原種、「オールドローズ」は日本では5月、寒い北米やヨーロッパでは6月ごろに咲くものです。今とは違い、季節感のある花だったのです。

「Full Hot Moon(フル・ホット・ムーン)」

その暖かさ、夏の到来をあらわすのがこの名前です。暑い季節の到来を知らせる月の名前です。こうしてみると緯度の違いで気温の違い、季節の違いがわかります。

 

 

6月4日 金星が東方最大離角

金星が太陽から東側にいちばん離れた位置、東方最大離角の位置となります。金星と水星は地球より太陽の内側をまわる「内惑星」ですが東側と西側に離れた位置が見えやすくなります。金星は離角が大きいので最大離角を気にしなくても観察できますが、最大離角の時には夜明けまでまだ早い時間や、夕方をすぎて夜遅い時間でも見えるので不審な光としてよく問い合わせもあります。東方最大離角のときは太陽から見て東側に離れるので、夕方のの西の空高く見えます。

水星、金星の位置と見え方

水星、金星の位置と見え方(印刷用)

 

6月6日 芒種

天文学では太陽の位置、黄経が75°になるとき(07:18)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。芒種とは芒(のぎ)のある植物の種をまくときという意味です。芒(のぎ)というのはイネ科の植物の実を包む殻にある棘のことで、この芒をもった植物の種をまくときというのが芒種というときになります。実際の種まきはこれよりも早く行われます。五月節でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。日本ではこの頃はそろそろ梅雨に入る時期です。

また芒種から夏至の前日までの期間を芒種と呼ぶことがあります。このころには梅雨に入る季節です。

 

6月11日 入梅

天文学では太陽の位置、黄経が80°になるとき(12:46)、また雑節のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。この入梅は1844年の天保暦のときに太陽黄経80°とされる以前は年代、記事により一定していませんでした。文字通り梅雨に入る頃ですが、田植えには重要な目安でしたのでこれを決めることは重要なことだったのです。

気象での梅雨入りは平年の関西地方は6月6日となっており、概ねこの時期となっています。

 

6月14日 月と木星がならぶ

夜明け前の東の空で月と木星がならびます。木星は金星に次いで明るく、夜半の明星の名前もあります。早起きしたときは東の空を眺めてみましょう。

2023年6月13日~17日の夜明け前の東の空

2023年6月13日~17日の夜明け前の東の空(印刷用)

 

6月17日 月と水星がならぶ

夜明け前の東の空低く、水星と月がならびます。水星は先月末に西方最大離角となりまだ見えます。低く見えにくいのですが、月をめやすに探しましょう。

 

6月21日 夏至

天文学では太陽の位置、黄経が90°になるとき(23:58)、また二十四節季のひとつでありその日のことを「夏至日」と言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。夏至は北半球では昼の長さがいちばん長いときになります。2020年から2055年の間は閏年に関わらず6月21日となります。五月中でもあります。夏がいちばん暑いときに至る、また昼の長さがいちばん長くなる時に至るという時期ということですが、これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。日本ではこの頃は梅雨の最中になります。

また夏至から小暑の前日までの期間を夏至と呼ぶことがあります。梅雨の最中にある季節です。

夏至、冬至、春分、秋分と合わせて二至二分と呼ばれ、時候の節目にあたる日とされていますが日本では農繫期となり祝日とはされていません。欧米では「ミッドサマー」という祝日にされたり祭日とされているところもあります。また英国の遺跡、ストーンヘンジでは夏至を示すヒールストーンなどの配列があり、夏至が重要なものであったことが示されています。

ストーンヘンジ

 

6月21日~22日 月と金星、火星がならぶ

夕方の西の空で月、金星、火星がならびます。金星はとても明るく薄明があるうちから見えていますが、火星は1.7等と暗くなっていますので、夜空が暗くなってからの方がいいでしょう。

2023年6月20日~23日夕方西の空

2023年6月20日~23日夕方西の空(印刷用)

 

6月の情報(満月の詳細は上記)

1日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
4日 満月(Full Moon),望(Full Wolf Moon)
4日 十六夜(暦ではこうなります)
5日 立待月
6日 居待月
7日 寝待月

8日 更待月

11日 下弦

16日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)

18日 新月.朔(New Moon)

20日 三日月(Waxing Crescent Moon)(暦ではこうなります)

26日 上弦(First Quarter Moon)

30日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)

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