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2022年(令和4年)1月の星空 しぶんぎ座流星群、夕方低くに木星と土星、水星が東方最大離角、ウルフ・ムーン

2022年1月の星空

三大流星群のひとつ「しぶんぎ座流星群」が4日午前6時ごろに極大(ピーク)を迎えます。今年は新月の夜で夜明け前のわずかな時間ですが要注意です。金星は太陽との離角が小さくなり、9日には内合となり見えなくなります。そして月末には「明けの明星」として、夜明け前の東の空に見えてきます。30日には月とならびます。木星と土星は夕方南西の空低くなりますが、5日から6日には月、水星とならんで見えます。南西の空低空ですが空の開けたところで観察できます。7日、水星が東方最大離角となり、夕方南西の空低くで観察のチャンスを迎えます。18日の満月は「フル・ウルフ・ムーン(狼月)」の名前があります。暦では5日が「小寒」、17日が「土用の入り」、20日が「大寒」です。

 

1月1日 元日

年の初めの日であり、日本で現在採用されている「グレゴリオ暦」の1月1日になります。また「国民の祝日に関する法律」では、「年のはじめを祝う」ことを趣旨とされる祝日となっています。天文学としての意味はなく、太陽の位置とも関係がありません。

日本ではほぼ(旧暦とは差がありますので)1872年にあたる明治5年、「太陰暦ヲ廃シ太陽暦ヲ頒行ス」とする「改暦ノ布告」があり、明治5年12月2日(1872年12月31日)をもって太陰太陽暦(これまでは「天保暦」という太陽太陰暦を使用していました)これを廃止し、翌日の明治6年(1873年)1月1日から太陽暦を採用することとしました。つまりグレゴリオ暦1873年1月1日に当たる明治5年12月3日を改めて明治6年1月1日とすることにしたのです。これが明治改暦です。この明治改暦は公布から施行までがなんと一月にも満たない期間にされたため大きな混乱を起こすことにもなったのですが、当時の明治政府が財政的にひっ迫しており、旧暦明治6年にある閏月(天保歴で調整のため追加される月)をなくし、また休日を増やすことで職員給与を削減するもくろみがあったと言われています。ともかくこの改暦では慌ただしく行われ、閏年の設定について「400年に3回、西暦年数が100で割り切れるが400で割り切れない年は、閏年としない」という重要な暦設定事項が欠落していたりしたため、1898年(明治31年)5月11日に、改めて勅令を出して修正し、正しいグレゴリオ暦に合わせたという経緯がありました。

1883年(明治16年)からは本暦と略本暦(日本国公式のカレンダー)が伊勢神宮(神宮)から頒布されるようになります。これは従来より伊勢神宮周辺で歴師とよばれる暦作成者が暦を作成していた流れを受け継ぐもので、現在は神宮司庁により「神宮暦」として一般にも販売されています。

神宮歴

また祝日としての元日は明治改暦以降も皇室行事の「四方拝」にもとづく四方節と呼ばれる祝祭日でしたが、1948年(昭和23年)公布・施行された「国民の祝日に関する法律」により上記の祝日となりました。

「元旦」という言い方もありますが、こちらは元日の日の朝、つまり初日の出を意味することもありますし、元日と同意であるとして使われることもあります。

 

1月4日 しぶんぎ座流星群が極大(ピーク)

三大流星群のひとつでピークが鋭く、短時間でしか多くの流星を望めないことで知られています。ピーク予想時刻は4日午前6時ごろと予想されます。また厳冬期での夜明け前の観察になる流星群です。今年は前日が新月ですので月明かりの影響はありません。ピークが鋭い流星群なので、活発な活動はピーク前後1時間くらいをはずすと難しくなることが予想されます。しかしピーク時には1時間あたり20~30個ほどの流星が見られると予想されますので防寒対策をして観察したいものです。

2022年1月4日しぶんぎ座流星群

2022年1月4日しぶんぎ座流星群(印刷用)

 

1月4日 月と水星がならぶ

夕方の南西の空低く、月と水星がならびます。とても低い位置で水星は低く、見えにくいため午後5時半から午後6時くらいの短い時間が見えるチャンスです。

近くには土星、木製も見えていますから美しい眺めになるでしょう。

2022年1月4日~6日夕方南西の空

2022年1月4日~6日夕方南西の空(印刷用)

 

1月5日 小寒(しょうかん)

天文学では太陽の位置、黄経が285°になるとき(18:14)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。冬の寒さが最も深まる前半という時期とされていて冬至をすぎて寒さが増してゆくときとされています。12月節でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがありますがおおむね似ているようにも感じます。

また小寒から大寒の前日までの期間を小寒と呼ぶことがあります。日本では関東や東北、北陸なども積雪のたよりが聞ける頃です。寒さはこれからさらに増します。またこの小寒から立春の前日の節分までを「寒」「寒中」と呼び、この寒に入るということで寒の入りと言います。寒中見舞いを出す時期でもあります。

 

 

1月5日 月と土星がならぶ

1月6日 月と木星がならぶ

月は水星のあと、土星、木製と会合します。月がこの3つの惑星の間を移動してゆくようすを楽しみましょう、

2022年1月4日~6日夕方南西の空

2022年1月4日~6日夕方南西の空(印刷用)

 

1月7日 水星が東方最大離角

水星が太陽から東側にいちばん離れた位置、東方最大離角の位置となります。金星と水星は地球より太陽の内側をまわる「内惑星」ですが東側と西側に離れた位置が見えやすくなります。金星は離角が大きいので最大離角を気にしなくても観察できますが、水星は離角が小さいので普段は観察しにくく、この最大離角前後が観察のチャンスとなります。東方最大離角のときは太陽から見て東側に離れるので、夕方の西の空低く見えます。

水星、金星の位置と見え方

水星、金星の位置と見え方(印刷用)

2022年1月7日水星が東方最大離角

2022年1月7日水星が東方最大離角(印刷用)

 

1月9日 金星が内合

金星が、地球からみてちょうど太陽の方角になります。これが内合です。

水星、金星の位置と見え方

この日以降は金星は夕方の空から夜明け前の空で見えるようになります。

 

1月17日 冬の土用の入り

「土用」とはもともとは中国の思想、「陰陽五行説」によるもので、五行説では万事が「木、火、金、水、土」でできていると考えられそれらの「気」が活発になる季節をあてはめ、春には木気、夏には火気、秋には金気、冬には水気と四つを割り当てました。残った「土」、土気はそれぞれの季節の変わり目に割り当てることとしたのです。これが「土用」です。土用の期間は年に4回あり、土気が盛んになるので、土木に関することや建築などでの穴掘り等の土を動かすことが禁忌とされたのです。「雑節」のひとつでもあり、有名なのは立秋前の夏の土用で、土用の丑の日に鰻を食べて夏の暑さを乗り切ろうとすることです。各土用の入りの日があり、最終の日は土用明けで節分となります。季節の変わり目を意味し、今では太陽の位置(黄経)を基準に決められています。(定気法)

冬の土用の入りは太陽黄経が297°になるとき(12:54)です。土用明け節分は2月3日で翌日は立春です。雑節は日本の気候風土にも合わせてあり、この頃は季節の変わり目で体調を崩しやすいとされています。冬の土用は厳冬期となり冬の寒さが一番厳しい時期に変わるという季節の変わり目、また厳冬期という健康や積雪などの節目でもあります。食べるとよいものなどが(夏土用の鰻のように)紹介されたりしていますが五行思想を無理に当てはめたりしているものなので科学的な意味はありません。厳冬期で風邪やインフルエンザなどの対策にはバランスの良い食生活や適度な暖房などの方が重要です。

 

1月18日 満月(Full Moon)「Full Wolf Moon(フル・ウルフ・ムーン)」!

「Full Wolf Moon(フル・ウルフ・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは1月の満月を「Full Wolf Moon(フル・ウルフ・ムーン)」と呼ばれます。これは名前のとおりオオカミの季節の月だからです。オオカミは繁殖期の前によく遠吠えをしますが、それが遠くまで聞こえる月という意味があるそうです。

オオカミ男と満月

「オオカミ男(狼男)」は満月を見て変身する・・・と言われますが、満月とオオカミの関係はこの名前にあるのかもしれません。もともとオオカミ男はヨーロッパの伝承で、満月を見て変身するというのは近代になって後付けされたもののようです。またオオカミは月に向かって吠えるというのも、特に月に向いているわけではなく、空に向かって吠えた方がより遠くまで声がとどくからです。

「Full Old Moon(フル・オールド・ムーン)」

これは正直、意味がわかりません。もしかしたら旧暦(太陰暦)の月という言葉からきたのかもしれませんが、この名前で呼ばれることもあるようです。また、オールド・ムーンは新月前の細い月のことをこう呼ぶことがあります。

「Full Cold Moon(フル・コールド・ムーン)」

これは季節をあらわし、寒い季節の月という意味です。ヨーロッパ、北米で呼ばれます。12月のCold Moonの方がネイティブ・アメリカンの名前として有名ですね。

 

 

 

1月20日 大寒(だいかん)

天文学では太陽の位置、黄経が300°になるとき(11:39)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。冬の寒さが最も厳しくなる時期とされていて小寒からさらに寒さが増してゆくときとされています。12月中でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがありますがおおむね似ているようにも感じます。ただ日本では西日本などでは2月になってからの方が積雪や寒波の到来などが多いでしょう。

また大寒から立春の前日(節分)までの期間を大寒と呼ぶことがあります。日本では関東や東北、北陸なども大雪、積雪のたよりが聞ける頃です。寒さはさらに増します。またこの小寒から立春の前日の節分までの「寒」の中日です。凍り豆腐や寒天、味噌など寒さを使った食物の仕込み製造などが行われる時期とされています。剣道などの武道では「寒稽古」が行われる時期でもあります。

 

1月30日 月と金星、火星がならぶ

金星は9日の内合以降は夜明け前の東の空で見える「明けの明星」となります。まだ空低いのですが、30日には月とならびます。近くには火星も赤く見えていますのでならんで見えます。

2022年1月30日夜明け前の南東の空

2022年1月30日夜明け前の南東の空(印刷用)

 

 

1月の情報(満月の詳細は上記)

1日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
3日 新月.朔(New Moon)
4日 二日月(Paper Moon)
5日 三日月(Waxing Crescent Moon)
10日 上弦(First Quarter Moon)
15日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
18日 満月(Full Moon),望(Full Wolf Moon)
18日 十六夜(暦ではこうなります)
19日 立待月
20日 居待月
21日 寝待月

22日 更待月

25日 下弦

 

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