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2021年(令和3年)12月の星空 コールド・ムーン、ふたご座流星群、冬至

2021年12月の星空

金星は夕方の南西の空に輝き、4日に最大光度となります。7日には月とならびます。また、南の空に見えていた木星、土星は西に傾き、金星とならんで見えるようになります。8日には土星と月が、9日には木星と月が南西の空でならびます。夕方少し早めの時間で見ましょう。14日の夜にはふたご座流星群のピーク前の出現が予想されます。19日の満月は「フル・コールド・ムーン(冷たい月)」の名前があります。暦では7日が「大雪」、22日が「冬至」です。

 

12月4日 金星が最大光度

夕方、南西の空で輝く金星が最大光度(-4.7等)となります。今回は黄道の傾きのため、あまり高くない金星ですが、明るさは周囲が明るいうちから見えるほどです。ぜひ観察してみましょう。

2021年12月4日夕方南西の空

2021年12月4日夕方南西の空(印刷用)

 

12月7日 大雪(たいせつ)

天文学では太陽の位置、黄経が255°になるとき(06:57)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。冬の寒さが増して文字通り大雪が降る頃という意味があります。11月節でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。北海道や高山を除けばまだ本格的な雪には早いと思います。

また大雪から冬至の前日までの期間を大雪と呼ぶことがあります。日本では北海道などをのぞけば雪がちらつくことがある程度で、本格的な雪の季節というにはまだ早い頃です。まだ大雪という日はほとんどなく、前線の影響などで一時的に雪が降る程度でしょう。しかし北国、雪国ではそろそろ積雪の便りがあり、いよいよ寒い冬を感じる頃といったところでしょう。この頃には熊などの動物が冬眠に入ったり、ブリなど冬の季節の魚の漁もはじまります。

「大雪」と書いて「おおゆき」と読むものもありますが、こちらはいわゆる「豪雪」の類義語です。表現として用いられますが、気象で積雪何mmなどの定義はなく、事故や災害がおきたときなどに使われます。またかつて北海道を走っていた急行列車の名前、そして2021年現在、旭川ー網走間を走行する特急列車の名称として「大雪(だいせつ)」も使われますがこれは大雪山(だいせつざん)という山の名前からつけられた名称です。

 

12月7日 月と金星がならぶ

夕方の南西の空で月と金星がならびます。同じ空には土星、木星もならんでいるので美しい眺めになるでしょう。

2021年12月6日~9日夕方南西の空

2021年12月6日~9日夕方南西の空(印刷用)

 

12月8日 月と土星がならぶ

昨日に続いて、こんどは月と土星がならびます。金星、土星、木星と月のならびは美しい眺めになるでしょう。

2021年12月6日~9日夕方南西の空

2021年12月6日~9日夕方南西の空(印刷用)

 

12月9日 月と木星がならぶ

続いて9日、こんどは月と木星がならびます。

2021年12月6日~9日夕方南西の空

2021年12月6日~9日夕方南西の空(印刷用)

 

12月14日 ふたご座流星群が極大(ピーク)

今年のピーク時刻は14日の午後4時ごろと予想されます。昼間がピーク時刻となりますので、いちばんのピーク近くは14日の夜となります。しかしふたご座流星群は母天体である小惑星ファエトンが流星物質を出し切った後の天体(元彗星)と考えられており、すでに広範囲に流星物質が広がっていると考えられています。これは流星群が長い期間、鋭いピークがなく安定して見られることも意味しています。観測は14日夜から15日夜明け前が最良と考えられますが同様に13日夜から14日夜明け前も観察のチャンスです。

今年は19日が満月なので夕方から夜中すぎは月明りの影響を受けます。西に傾いた月明りの影響がない方角を観察しましょう。

2021年12月14日午後9時ふたご座流星群

2021年12月14日午後9時ふたご座流星群(印刷用)

2021年12月15日午前2時ふたご座流星群

2021年12月15日午前2時ふたご座流星群(印刷用)

 

 

12月19日、満月(Full Moon)「Full Cold Moon(フル・コールド・ムーン)」!

「Full Cold Moon(フル・コールド・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは12月の満月を「Full Cold Moon(フル・コールド・ムーン)」と呼ばれます。これは名前のとおり寒い季節の月だからです。日本にも「寒月(かんげつ)」という言葉があり、冬の季語にもなっています。

「Full Long Night Moon(フル・ロング・ナイト・ムーン)」

これは英語圏のことばで夜がいちばん長い時期の月だからです。日本では21日が冬至です。ことばどおりいちばん夜が長い時期となります。

 

12月22日 冬至(とうじ)

天文学では太陽の位置、黄経が270°になるとき(0:59)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。日のことは「冬至日(とうじび)」と呼ぶこともあります。北半球では太陽の南中高度(南の方角で地上からの角度がいちばん大きくなる時)が最も低くなり、昼の長さがいちばん短くなり、夜の長さがいちばん長くなるときです。11月中でもあります。夏至とともに冬の寒さ厳しくなる季節とともに、太陽がこれから高度を上げて春へと季節が向かう重要な日とされています。

また冬至から小寒の前日までの期間を冬至と呼ぶことがあります。日本では雪が降り始めるの季節で、寒さと合わせて様々な行事が行われる頃です。柚子湯または冬至風呂は柚子またはその皮を風呂に入れて入る習慣で江戸時代の銭湯の普及とともに広がったと言われています。また朝に小豆の入った小豆粥(あずきがゆ)を食べて病難を避けるという風習もあります。小豆が身体を温めるのによいということから冬至の日に行われます。かぼちゃ、かぼちゃの煮物を食べる習慣もあり、大阪府大阪市西成区玉出の生根神社では冬至の日に「こつま南瓜祭り」が中風除け、無病息災祈願の行事として行われます。これはこの地がかつて「勝間(こつま)村」と呼ばれ、「こつま南瓜」という品種の特産地であったことも伝えています。現在は市街化により栽培地は南河内郡河南町付近に移りましたが「こつま南瓜」の名前で残っています。コンニャクを体の砂埃を払うということで食べる地域もあります。

妙見(北極星または北斗七星の神格化されたもの)を祭る神社、真言宗や天台宗の寺院では「星祭(ほしまつり)」が行われます。これは自身の生まれ干支などにちなむ当年星を祭る行事です。もともとは中国の道教の影響だとも伝えられます。

冬至とクリスマス

古代ローマでは冬至の日を含む数日間にサトゥルヌス祭という盛大な祭りが行われ、これから太陽が高く、日が長くなることで農業の豊作を願った重要な祭日がありました。このサトゥルヌス祭は紀元前200年ほど前に始まったとされるローマでも古い祭りで、これは数日にわたって行われる盛大な祭りだったそうです。このサトゥルヌス祭が「クリスマス」の起源になったといわれています。サトゥルヌス祭は土星の神でもあり、農業の神ともされていました。

キリストの誕生日はいつなのかは聖書にも書かれておらず、これがもともと行われてきた古代ローマでの冬至の祭典とあわさって行われるようになったと言われています。また古代ローマ以前にも冬至を祭る祭日があったと言われています。また後のミトラ教のミトラ神の祝日からとする説もあります。これも冬至以降太陽が高くなる(太陽神の復活、誕生)ことからきています。

12月23日 こぐま座流星群が極大

大きな流星群でなく、1時間あたり数個程度ですが、時折、北から南へ大きな流星が見えることがあります。ピーク予想時刻は午前0時です。夜中なので放射点(輻射点)が高くなり、見えやすくなります。今年は満月過ぎの月明りもあり、数が少ないのですが数日続くのでクリスマスのラッキーをねらえるかもしれません。「ベツレヘムの星」も大流星もしくは火球だという説もあります。

12月の情報(満月の詳細は上記)

2日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
4日 新月.朔(New Moon)
5日 二日月(Paper Moon)
6日 三日月(Waxing Crescent Moon)
11日 上弦(First Quarter Moon)
16日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
19日 満月(Full Moon),望(Full Cold Moon)
19日 十六夜(暦ではこうなります)
20日 立待月
21日 居待月
22日 寝待月

23日 更待月

27日 下弦

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