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2023年(令和5年)4月の星空 金星と月がならぶ、水星が東方最大離角、ピンクムーン

2023年4月の星空

夕方の西の空で金星が見えています。23日には月がならびます。12日には水星が東方最大離角となり夕方の西の空で見るチャンスとなります。宵のうちには冬の大三角を含めた冬の星座もまだ西の空に見ることができますが春の大三角も東の空から昇ってきます。6日は満月で「フル・ピンクムーン」の名前もあります。暦では4月5日が清明、17日が春の土用の入り、20日が穀雨です。

 

4月5日 清明

天文学では太陽の位置、黄経が15°になるとき(10:13)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。すべてのものが明るく清々しくなるころとされています。これだけでは季節のようすをあらわしていないようですが、中国では「清明節」という先祖供養のお祭りがあります。春の陽気が漂い生き物が清々しく息づく頃という意味でもあります。三月節でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあるのですが清明の意味自体が季節とあまりかかわりがないようですね。日本ではそろそろ春の陽気が感じられる頃でお花見の季節ですが、「花冷え」もある季節です。

また清明から穀雨の前日までの期間を清明と呼ぶことがあります。以前はとソメイヨシノが満開となりお花見のシーズンでしたが近年では温暖化の影響でもう散っているところも多いです、ただ八重桜の咲く頃でまさに各地でのお花見のシーズンとなります。

 

4月6日、満月(Full Moon)「Full Pink Moon(フル・ピンク・ムーン)」!

「Full Pink Moon(フル・ピンク・ムーン)」

北米ではネイティブ・アメリカンでは”Full Pink Moon”と呼ばれます。【ブルームーン】ではなく【ピンクムーン】!?この「ピンク」は日本の桜ではなく、”Moss Pink”(野生の芝桜)のことです。または”Ground phlox”(野生のフロックス:クサキョウチクトウ)の咲く季節の月という意味です。初春を告げる花で、北米ではこの季節に山や丘がピンク色に染まるそうです。日本では4月のピンク色といえば桜ですが、感覚的には一面がソメイヨシノで染まる山というところでしょうか。それほどの桜はなかなかありませんが那須香大阪天文台の近く「滝谷公園」はまさに一山ピンクに染まります。近鉄長野線、滝谷不動駅からすぐで、近鉄長野線「川西」ー「滝谷不動」ー「汐の宮」間でも走行中に東側の車窓から見えます。

「Full Sprouting Grass Moon(フル・スプローティング・グラス・ムーン)」

これは草の芽吹く月という意味です。春の訪れを告げるという名前です。

「Full Fish Moon(フル・フィッシュ・ムーン)」

この”Fish”魚は日本ではなじみのない「アロサ(Alosinae)」というニシン科の魚のなかまで、産卵のために川を遡上する生態があります。北米では「シャッド”Shad”」と呼ばれることもあります。バージニア州ではこのシャッドの遡上の漁の季節からさまざまな行事があるそうです。最近は河川の改修で遡上できなくなったところもあり、保護活動もあります。日本では遡上といえば鮭ですが、こちらも河川問題がありますのでそのような感じでしょうか・・・。ただ鮭の場合は秋から冬が遡上の季節です。

 

4月12日 水星が東方最大離角

水星が太陽から東側にいちばん離れた位置、東方最大離角の位置となります。金星と水星は地球より太陽の内側をまわる「内惑星」ですが東側と西側に離れた位置が見えやすくなります。金星は離角が大きいので最大離角を気にしなくても観察できますが、水星は離角が小さいので普段は観察しにくく、この最大離角前後が観察のチャンスとなります。東方最大離角のときは太陽から見て東側に離れるので、夕方の西の空低く見えます。

水星、金星の位置と見え方

水星、金星の位置と見え方(印刷用)

2023年4月12日水星が東方最大離角

2023年4月12日水星が東方最大離角(印刷用)

 

 

4月17日 春の土用の入り

「土用」とは雑節のひとつ、もともとは中国の思想、「陰陽五行説」によるもので、五行説では万事が「木、火、金、水、土」でできていると考えられそれらの「気」が活発になる季節をあてはめ、春には木気、夏には火気、秋には金気、冬には水気と四つを割り当てました。残った「土」、土気はそれぞれの季節の変わり目に割り当てることとしたのです。これが「土用」です。土用の期間は年に4回あり、土気が盛んになるので、土木に関することや建築などでの穴掘り等の土を動かすことが禁忌とされたのです。「雑節」のひとつでもあり、有名なのは立秋前の夏の土用で、土用の丑の日に鰻を食べて夏の暑さを乗り切ろうとすることです。各土用の入りの日があり、最終の日は土用明けで節分となります。季節の変わり目を意味し、今では太陽の位置(黄経)を基準に決められています。(定気法)

春の土用の入りは太陽黄経が27°になるとき(15:36)です。土用明け節分(立夏前の節分)は5月4日で翌日は立夏です。雑節は日本の気候風土にも合わせてあり、この頃は季節の変わり目で体調を崩しやすいとされています。春の土用は寒い冬から暖かくなる春へと季節が変わるという季節の変わり目、また衣替えなどの節目でもあります。食べるとよいものなどが(夏土用の鰻のように)紹介されたりしていますが五行思想を無理に当てはめたりしているものなので科学的な意味はありません。バランスの良い食生活やじゅうぶんな睡眠などの方が重要です。

 

 

4月20日 沖縄、鹿児島、和歌山南部などで部分日食(オーストラリア北、ニューギニアで金環皆既日食)

南太平洋で金環皆既日食となります。日本ではごく小さな部分日食が見られる地域もあります。和歌山県串本町では14:36に食の最大となり食分は0.025です。観察には太陽観測専用のフィルターの装備が必要です。

 

4月20日 穀雨

天文学では太陽の位置、黄経が30°になるとき(17:14)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。田畑で穀物を植える用意ができ、春の雨が降って育むころとされています。三月中でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。日本ではこの頃から特に雨が多くなるとはいえません。むしろ水田に水を引くのは梅雨入り前というイメージですね。日本ではそろそろ春の陽気が深まり、もうこの頃には寒さを感じることがなくなるという季節です。

また穀雨から立夏の前日までの期間を穀雨と呼ぶことがあります。ゴールデンウィークもあり、晴れる時もあれば雨の日もありという行楽シーズンでもあります。

 

4月23日 月と金星がならぶ

夕方の西の空で月と金星がならびます。

2023年4月21日~24日夕方の西の空

2023年4月21日~24日夕方の西の空(印刷用)

 

4月の情報(満月の詳細は上記)

3日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
6日 満月(Full Moon),望(Full Wolf Moon)
6日 十六夜(暦ではこうなります)
7日 立待月
8日 居待月
9日 寝待月

10日 更待月

15日 下弦

20日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)

22日 新月.朔(New Moon)

22日 三日月(Waxing Crescent Moon)(暦ではこうなります)

29日 上弦(First Quarter Moon)

 

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