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2022年(令和4年)11月の星空 皆既月食、ビーバー・ムーン、木星、土星、火星

2022年11月の星空

今月の最大のイベントは8日の皆既月食です。また、皆既月食中に天王星食がおきます。天王星は9日に衝となります。肉眼での観察は難しい惑星です。木星と土星は夜早々に南から南西にかけて見える位置になります。天体観望会などではまだまだ観望の好機です。土星は1日~2日と28日に月とならびます。また木星は5日に月とならびます。また火星も12月1日には最接近を迎えることを前にして明るくなっています。その火星も11日には月とならびます。8日の皆既月食時の満月は「フル・ビーバー・ムーン」とも呼ばれます。暦では、7日が「立冬」、22日が「小雪」です。

 

 

11月1日~2日 月と土星がならぶ

夕方の南東の空~深夜の西の空にかけて、月と土星がならびます。

2022年11月1日~5日夕方の南東の空

2022年11月1日~5日夕方の南東の空(印刷用)

 

11月3日 「十日夜の月(とうかんや)」「三の月」

旧暦十月十日の月で「十五夜の月」「十三夜の月」に続く三度目のお月見として行われることもあります。この頃には秋の作物はほぼ収穫を終える頃とされています。十三夜よりずっと欠けた月で上弦すぎの月となります。

 

 

 

11月5日 月と木星がならぶ

夕方の南東の空~深夜の西の空にかけて月と木星がならびます。月も木星もとても明るいのですばらしい眺めでしょう。

2022年11月1日~5日夕方の南東の空

2022年11月1日~5日夕方の南東の空(印刷用)

 

11月6日 おうし座南流星群が極大(ピーク)

おうし座北流星群とともに長い期間見え、ゆっくりとした明るい流星で知られています。また非常に明るい「火球」がみられることでも知られています。実際、この前後に火球目撃情報が多くあります。ピーク日にとらわれず前後数週間にわたって長く楽しめる流星群です。数は1時間あたり数個程度です。母天体はハレー彗星(1P)の次に周期彗星であるとされたエンケ彗星(2P)とされています。

 

11月7日 立冬

天文学では太陽の位置、黄経が225°になるとき(19:45)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。寒さが増して冬の気配が立ち始めるころとされています。10月節でもあります。季節ではこの日から立春までが冬とされています。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。

また立冬から小雪の前日までの期間を立冬と呼ぶことがあります。日本では冬そのものとはいえないかもしれませんが、朝夕の冷え込みは増し、秋が深まったころというところです。富士山の初冠雪のニュースはもうこの頃には届いていて、平地でも紅葉の見ごろとなる季節でちょっとした山では紅葉のシーズンを迎える頃です。またこの立冬の前日、11月6日が節分ですが、江戸時代以降は一般に節分といえば立春の前の節分のことをいいます。季節の変わり目のことを指して言う言葉でもあります。

 

 

11月8日 皆既月食

18時8.9分から部分月食が始まります。今回も見えるのが比較的早い時刻ですので観察しやすい月食です。皆既月食となるのは19時16.3分です。今回は皆既月食は1時間半ほど継続し、皆既月食が終わるのは20時42.0分です。半影月食をのぞくすべての月食が終わるのは、21時49.4分で午後10時までにはすべての月食を見ることができます。

2022年11月8日の皆既月食の見え方

2022年11月8日の皆既月食の見え方(印刷用)

 

11月8日 皆既月食中の天王星食

今回の皆既月食中に月が天王星を隠す天王星食が見られます。とても珍しい現象ですが、観察には望遠鏡が必要です。

11月8日天王星食(大阪での時刻)

11月8日天王星食(大阪での時刻)(印刷用)

 

11月8日 満月(Full Moon)「Full Beaver Moon(フル・ビーバー・ムーン)」

「Full Beaver Moon(フル・ビーバー・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは11月の満月を「Full Beaver Moon(フル・ビーバー・ムーン)」と呼ばれます。これは冬に備えてビーバーが巣作りをする季節の月だからそうです。

「Full Frost Moon(フル・フロスト・ムーン)」

これも北米ネイティブ・アメリカンのことばで霜(Frost)が降りる季節という意味です。

 

11月9日 天王星が衝

太陽系で2番目に太陽から遠い惑星、天王星が地球から見て太陽の反対側「衝」の位置になります。一般に火星より外の「外惑星」はこの頃が夜中に南の空高く見え、観察の好機となります。ただ天王星は非常に遠いので衝の前後でも距離の差はさほど観測に出ません。明るさも5.6等と空のきれいなところでも肉眼で見えるぎりぎりの明るさです。望遠鏡での観察も大型のものが必要です。

41cm望遠鏡による天王星

外惑星の見え方

 

11月11日 月と火星がならぶ。

11月11日の午後8時ごろの東の空から未明の西の空にかけて月と火星がならびます。火星は12月1日に地球に最接近します。赤く明るく輝いています。月とのならびも美しいでしょう。

2022年11月10日~12日東の空

2022年11月10日~12日東の空(印刷用)

 

 

11月13日 おうし座北流星群が極大(ピーク)

11月5日に極大(ピーク)を迎えたおうし座南流星群とともに明るくゆっくりとした流星で知られています。数は1時間に数個ほどですがこちらも明るい火球がみられることでも知られています。

 

11月18日 しし座流星群が極大(ピーク)

しし座流星群の火球(左上は木星)

11月18日の午前8時ごろ、しし座流星群が極大(ピーク)と予想されます。母天体のテンペル・タットル彗星(55P)の回帰後にあたる2001年の大出現からは落ち着いた(数の少ない)流星群ですが1時間あたり数個から十数個程度の出現と予想されます。ちょうどおうし座南北流星群と重なりますので両方を楽しむのもいいでしょう。しし座流星群はおうし座流星群と対照的に速度が速い流星が特徴です。飛んでくる方向を探さなくてもおうし群としし群の違いは目で見ても速度からあきらかです。今年は明るいものだけを狙いましょう。16日が下限の月なので月明りの影響を受けてしまいます。

 

11月22日 小雪(しょうせつ)

天文学では太陽の位置、黄経が240°になるとき(17:20)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。冬で寒くなり、少し雪が降る頃という意味があります。10月中でもあります。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。北海道や高山を除けばまだ雪には早いと思います。

また小雪から大雪の前日までの期間を小雪と呼ぶことがあります。日本では北海道などをのぞけば雪がちらつくにもまだ早い頃です。ですが気温は下がり冬の訪れを感じる頃ではあります。もうこの頃には紅葉のみごろとなっているはずです。北国からの雪の便り、冠雪した富士山をみて冬を感じる頃といったところでしょう。

「小雪」と書いて「こゆき」と読むものもあります。小雪がちらつくなどの表現で用いられますが、これは気象のことばで積雪量1mm未満の雪のことです。雨でも1mm未満を小雨と呼んだりしますがそれと同じく、天候では雪とみなされないほどの少量の雪のことです。

 

11月23日 「勤労感謝の日」「新嘗祭(にいなめさい)」

国民の祝日であり、国民の祝日に関する法律(祝日法)では「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」日とされ、現在の暦、カレンダーでは11月23日とされています。しかしもともとは農業、特に稲作を中心とした日本ではその年に収穫された稲をはじめ五穀豊穣を祝う収穫祭の意味で、飛鳥時代から「新嘗祭」という行事としておこなわれてきました。この新嘗祭を明治の新暦採用のときに11月23日としたことが勤労感謝の日のもとです。

新嘗祭は天皇がその年の収穫された穀物などを神にささげる行事とされていたことから、戦後行事が天皇の神事にかかわるという議論があり1948年(昭和23年)に公布、施行された国民の祝日に関する法律では「勤労感謝の日」とされました。今でも各地の神社では新嘗祭として行われています。また天皇が即位した後の最初の新嘗祭は「大嘗祭(だいじょうさい)」として行われます。

 

11月29日 月と土星がならぶ

今月1日から月がぐるっとまわり、再び土星とならびます。11

2022年11月28日~12月3日夕方の南~南東の空

2022年11月28日~12月3日夕方の南~南東の空(印刷用)

 

11月の情報(満月の詳細は上記)

1日 上弦(First Quarter Moon)
6日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
8日 満月(Full Moon),望(Full Wolf Moon)
9日 十六夜(暦ではこうなります)
10日 立待月
11日 居待月
12日 寝待月

13日 更待月

16日 下弦

22日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)

24日 新月.朔(New Moon)

26日 三日月(Waxing Crescent Moon)

30日 上弦(First Quarter Moon)

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