2023年10月の星空
1日から2日にかけて月と木星がならびます。月は11日には金星とならびます。また24日には土星とならびます。月は27日には十三夜、後の月とも呼ばれるお月見の日です。さらに29日の満月は「フル・ハンターズ・ムーン」の名前もあります。またこの満月は部分月食となります。欠け方は小さいのですが貴重な機会です。木星と土星は夜早々に見える位置になり、木星も観望の好機です。24日には金星が西方最大離角となり、夜明け前の東の空で高く、明るく見えるようになります。暦では21日は秋の土用の入りとなり、8日が「寒露」、24日が「霜降」です。
10月1日~2日 月と木星がならぶ。
10月1日~2日、夜~夜明け前に月と木星がならびます。木星はとても明るくすばらしい眺めでしょう。
10月8日 寒露
天文学では太陽の位置、黄経が195°になるとき(22:16)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。夜露が夜の冷えた冷気で凍りそうになるころとされています。9月節でもあります。旧暦の9月は秋とされています。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。
また寒露から霜降の前日までの期間を寒露と呼ぶことがあります。日本ではまだ寒いとは言い切れない日もある頃ですが、これから秋が深まりいよいよ冬の到来を感じるころです。この頃には秋の長雨も終わり、晴れた夜空が多くなるころでもあります。
10月9日 りゅう座流星群が極大(ピーク)
旧名「ジャコビニ流星群」です。今年は母天体ジャコビニ・チンナー彗星が遠日点になるため大出現の見込みはありませんが微光流星などがどのように見られるかがわかりません。1時間に数個と数も少なく予想されますがピーク時刻は午後4時ごろと予想されます。しかしこの流星群はピーク時刻も大きくずれることで知られています。ゆっくりとした流星らしくない流星が特徴です。今年は月明りの影響もあまりなく条件は良好です。
10月11日 月と金星がならぶ
10月11日の夜明け前、月と金星が東の空でならびます。金星は明るいのですばらしい眺めでしょう。
10月15日 北米~南米で金環日食
日本では見られませんが北米~南米で金環日食が見られます。
10月21日 秋の土用の入り
「土用」とはもともとは中国の思想、「陰陽五行説」によるもので、五行説では万事が「木、火、金、水、土」でできていると考えられそれらの「気」が活発になる季節をあてはめ、春には木気、夏には火気、秋には金気、冬には水気と四つを割り当てました。残った「土」、土気はそれぞれの季節の変わり目に割り当てることとしたのです。これが「土用」です。土用の期間は、土気が盛んになるので、土木に関することや建築などでの穴掘り等の土を動かすことが禁忌とされたのです。「雑節」のひとつでもあり、有名なのは立秋前の夏の土用で、土用の丑の日に鰻を食べて夏の暑さを乗り切ろうとすることです。各土用の入りの日があり、最終の日は土用明けで節分となります。季節の変わり目を意味し、今では太陽の位置(黄経)を基準に決められています。(定気法)
秋の土用の入りは太陽黄経が207°になるとき(0:58)です。土用明け節分は11月7日で翌日は立冬です。雑節は日本の気候風土にも合わせてあり、この頃は季節の変わり目で体調を崩しやすいとされています。秋の土用は寒さが増し冬へと気候が変わる季節の変わり目でもあります。食べるとよいものなどが(夏土用の鰻のように)紹介されたりしていますが五行思想を無理に当てはめたりしているものなので科学的な意味はありません。
10月22日 オリオン座流星群が極大(ピーク)
10月22日9時ごろがピークと予想されています。オリオン座流星群は「高原状」の出現を見せることで知られており、この日に限らず前後1週間程度によく出現することが知られています。また火球など明るい流星が多く、出現個数も1時間あたり最大20個程度と安定しているため、今年も出現が注目されます。今年は15日が新月で月明りの影響を受けにくくいい条件で観察することができます。母天体はエドモンド・ハレーがはじめて周期彗星であることを発表したことでも有名なハレー彗星(1P)とされています。
10月24日 霜降
天文学では太陽の位置、黄経が210°になるとき(1:21)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。夜露が夜の冷えた冷気で霜が降りるころとされています。9月中でもあります。旧暦の9月は秋とされています。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。
また霜降から立冬の前日までの期間を霜降と呼ぶことがあります。日本では高山をのぞくとまだ霜が降りるとまではいかないところが多いと思います。ただ夜の寒さはぐんと増して紅葉の見ごろとなる季節です。またこの霜降の期間に吹く北風を「木枯らし」と呼びます。
10月24日 金星が西方最大離角
金星が太陽から西にいちばん離れ、夜明け前早くから見えます。
10月24日 月と土星がならぶ
夕方から夜中にかけて月と土星がならびます。
10月27日 「十三夜」「後の月」「豆名月」「栗名月」
「中秋の名月」とともにお月見の日とされています。旧暦九月十三日の月で「十三夜」また中秋の名月の後のお月見という意味で「後の月」の名前があります。こちらも収穫祭の意味があり大豆の収穫から「豆名月」、栗の収穫から「栗名月」の名前もあります。中秋の名月は中国の中秋節が伝わったものですが、こちらは日本独自のものです。中秋の名月がほぼ満月なのに対して十三夜は少し欠けた月を見ます。この形が栗に似ているという説もあります。
中秋の名月(十五夜)と十三夜はどちらも雨でもお月見をしなければ縁起が悪いというのは迷信です。これは昔の歓楽街(遊郭)ではお月見の夜を景気よく盛大に祝う習慣があり、これが一度だけではなく二度目も来てくださいね。。。という意味がもとになったのです。つまり勧誘宣伝のためです。しかし、一度だけ見てもいいのですが、せっかくですから二度目のお月見も楽しみましょう。お月見のお団子やススキを供える習慣は中秋の名月と同じようですが、地方によってはやはり豆や栗を供えるところもあります。また、雨や曇りで中秋の名月が見えなかったときにもう一度チャンスをという意味もあります。
10月29日 部分月食
夜明け前の西の空で見られますが食分も小さくわずかです。
10月29日、満月(Full Moon)「Full Hunter’s Moon(フル・ハンターズ・ムーン)」
「Full Hunter’s Moon(フル・ハンターズ・ムーン)」
北米ネイティブ・アメリカンでは「秋分(Autumnal equinox)」に近い満月を「Full Harvest Moon(フル・ハーベスト・ムーン)」「収穫月」と呼ばれます。その次の満月を「Full Hunter’s Moon(フル・ハンターズ・ムーン)」と呼びます。10月になることが多いので10月の満月をこう呼ぶこともあります。冬に備えての狩りをする時期というのも理由です。もうひとつ、秋分の農作物の収穫後、刈り取られた畑で見通しがよくなり、狩りに都合がいいという理由もあるそうです。
別名、「Full Travel Moon(フル・トラベル・ムーン)」,「Full Dying Grass Moon(フル・ダイング・グラス・ムーン)」,「Full Sanguine Moon(フル・サングイン・ムーン)」,「Full Blood Moon(フル・ブラッド・ムーン)」
「Full Travel Moon(フル・トラベル・ムーン)」
これはネイティブ・アメリカンでは活動をする時期という意味があるそうです。10月の月はこの名前で呼ばれます。
「Full Dying Grass Moon(フル・ダイング・グラス・ムーン)」
これはもネイティブアメリカンでの名前です。枯草の月という意味があります。
Full Sanguine Moon(フル・サングイン・ムーン)」,「Full Blood Moon(フル・ブラッド・ムーン)」
これはもネイティブアメリカンでの名前のようです。「Sanguine」とは血塗られたという意味で、「Blood」とともに血液の意味があります。これも狩りによる血という意味があります。もうひとつは秋の紅葉の時期という意味もあるようです。
10月の情報(満月の詳細は上記)
1日 立待月
2日 居待月
3日 寝待月
4日 更待月
7日 下弦
13日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
15日 新月.朔(New Moon)
17日 三日月(Waxing Crescent Moon)(暦ではこうなります)
23日 上弦(First Quarter Moon)
27日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
29日 満月(Full Moon),望(Full Hearvest Moon)
30日 十六夜
31日 立待月