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2021年(令和3年)10月の星空 十三夜、金星が東方最大離角、木星、土星、ハンターズ・ムーン

2021年10月の星空

18日は十三夜、後の月とも呼ばれるお月見の日です。夕方の空で見えている金星はさらに見えやすくなり、30日には東方最大離角となり、空高く、太陽から離れて見えます。木星と土星は夜早々に南に見える位置になり、9月に続いて観望の好機です。25日には水星が西方最大離角となり、夜明け前の東の空で観察のチャンスとなります。20日の満月は「フル・ハンターズ・ムーン」の名前もあります。暦では20日は秋の土用の入りとなり、8日が「寒露」、23日が「霜降」です。

10月8日 寒露

天文学では太陽の位置、黄経が195°になるとき(10:39)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。夜露が夜の冷えた冷気で凍りそうになるころとされています。9月節でもあります。旧暦の9月は秋とされています。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。

また寒露から霜降の前日までの期間を寒露と呼ぶことがあります。日本ではまだ寒いとは言い切れない日もある頃ですが、これから秋が深まりいよいよ冬の到来を感じるころです。この頃には秋の長雨も終わり、晴れた夜空が多くなるころでもあります。

 

10月9日 りゅう座流星群が極大(ピーク)

旧名「ジャコビニ流星群」です。今年は母天体ジャコビニ・チンナー彗星が遠日点になるため大出現の見込みはありませんが微光流星などがどのように見られるかがわかりません。1時間に数個と数も少なく予想されますがピーク時刻は午前3時ごろと予想されます。しかしこの流星群はピーク時刻も大きくずれることで知られています。ゆっくりとした流星らしくない流星が特徴です。今年は月明りの影響もなく条件は良好です。

 

10月9日~10日 月と金星がならぶ

夕方の南西の空やや低く、月と金星がならびます。どちらも明るいので美しい眺めになるでしょう。

2021年10月9日~11日南西の空

2021年10月9日~11日南西の空(印刷用)

 

10月14日 月と土星がならぶ、10月15日 月と木星がならぶ

月と土星、木星がならびます。特に木星は明るいので見ても美しいでしょう

2021年10月13日~16日の南の空

2021年10月13日~16日の南の空(印刷用)

 

 

10月18日 「十三夜」「後の月」「豆名月」「栗名月」

「中秋の名月」とともにお月見の日とされています。旧暦九月十三日の月で「十三夜」また中秋の名月の後のお月見という意味で「後の月」の名前があります。こちらも収穫祭の意味があり大豆の収穫から「豆名月」、栗の収穫から「栗名月」の名前もあります。中秋の名月は中国の中秋節が伝わったものですが、こちらは日本独自のものです。中秋の名月がほぼ満月なのに対して十三夜は少し欠けた月を見ます。この形が栗に似ているという説もあります。

中秋の名月(十五夜)と十三夜はどちらも雨でもお月見をしなければ縁起が悪いというのは迷信です。これは昔の歓楽街(遊郭)ではお月見の夜を景気よく盛大に祝う習慣があり、これが一度だけではなく二度目も来てくださいね。。。という意味がもとになったのです。つまり勧誘宣伝のためです。しかし、一度だけ見てもいいのですが、せっかくですから二度目のお月見も楽しみましょう。お月見のお団子やススキを供える習慣は中秋の名月と同じようですが、地方によってはやはり豆や栗を供えるところもあります。また、雨や曇りで中秋の名月が見えなかったときにもう一度チャンスをという意味もあります。

 

10月20日 秋の土用の入り

「土用」とはもともとは中国の思想、「陰陽五行説」によるもので、五行説では万事が「木、火、金、水、土」でできていると考えられそれらの「気」が活発になる季節をあてはめ、春には木気、夏には火気、秋には金気、冬には水気と四つを割り当てました。残った「土」、土気はそれぞれの季節の変わり目に割り当てることとしたのです。これが「土用」です。土用の期間は、土気が盛んになるので、土木に関することや建築などでの穴掘り等の土を動かすことが禁忌とされたのです。「雑節」のひとつでもあり、有名なのは立秋前の夏の土用で、土用の丑の日に鰻を食べて夏の暑さを乗り切ろうとすることです。各土用の入りの日があり、最終の日は土用明けで節分となります。季節の変わり目を意味し、今では太陽の位置(黄経)を基準に決められています。(定気法)

秋の土用の入りは太陽黄経が207°になるとき(13:26)です。土用明け節分は11月6日で翌日は立冬です。雑節は日本の気候風土にも合わせてあり、この頃は季節の変わり目で体調を崩しやすいとされています。秋の土用は寒さが増し冬へと気候が変わる季節の変わり目でもあります。食べるとよいものなどが(夏土用の鰻のように)紹介されたりしていますが五行思想を無理に当てはめたりしているものなので科学的な意味はありません。

 

10月20日、満月(Full Moon)「Full Hunter’s Moon(フル・ハンターズ・ムーン)」

 

「Full Hunter’s Moon(フル・ハンターズ・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは「秋分(Autumnal equinox)」に近い満月を「Full Harvest Moon(フル・ハーベスト・ムーン)」「収穫月」と呼ばれます。その次の満月を「Full Hunter’s Moon(フル・ハンターズ・ムーン)」と呼びます。10月になることが多いので10月の満月をこう呼ぶこともあります。冬に備えての狩りをする時期というのも理由です。もうひとつ、秋分の農作物の収穫後、刈り取られた畑で見通しがよくなり、狩りに都合がいいという理由もあるそうです。

別名、「Full Travel Moon(フル・トラベル・ムーン)」,「Full Dying Grass Moon(フル・ダイング・グラス・ムーン)」,「Full Sanguine Moon(フル・サングイン・ムーン)」,「Full Blood Moon(フル・ブラッド・ムーン)」

「Full Travel Moon(フル・トラベル・ムーン)」

これはネイティブ・アメリカンでは活動をする時期という意味があるそうです。10月の月はこの名前で呼ばれます。

「Full Dying Grass Moon(フル・ダイング・グラス・ムーン)」

これはもネイティブアメリカンでの名前です。枯草の月という意味があります。

Full Sanguine Moon(フル・サングイン・ムーン)」,「Full Blood Moon(フル・ブラッド・ムーン)」

これはもネイティブアメリカンでの名前のようです。「Sanguine」とは血塗られたという意味で、「Blood」とともに血液の意味があります。これも狩りによる血という意味があります。もうひとつは秋の紅葉の時期という意味もあるようです。

 

 

 

10月21日 オリオン座流星群が極大(ピーク)

10月21日20時ごろがピークと予想されています。オリオン座流星群は「高原状」の出現を見せることで知られており、この日に限らず前後1週間程度によく出現することが知られています。また火球など明るい流星が多く、出現個数も1時間あたり最大20個程度と安定しているため、今年も出現が注目されます。今年は満月すぎの月明りがありの条件はよくありません。母天体はエドモンド・ハレーがはじめて周期彗星であることを発表したことでも有名なハレー彗星(1P)とされています。

 

10月23日 霜降

天文学では太陽の位置、黄経が210°になるとき(13:51)、また二十四節季のひとつでありその日のことを言います(この太陽の位置から定めることを「定気法」と呼びます)。夜露が夜の冷えた冷気で霜が降りるころとされています。9月中でもあります。旧暦の9月は秋とされています。これも元は中国内陸地域の気候から日本に伝わったものですから、日本の気候、感覚からずれがあります。

また霜降から立冬の前日までの期間を霜降と呼ぶことがあります。日本では高山をのぞくとまだ霜が降りるとまではいかないところが多いと思います。ただ夜の寒さはぐんと増して紅葉の見ごろとなる季節です。またこの霜降の期間に吹く北風を「木枯らし」と呼びます。

 

10月25日 水星が西方最大離角

水星が西方最大離角となり、太陽から西にいちばん離れて見えます。夜明け前、東の空低くに見ることができるチャンスとなります。

内惑星の位置と見え方

水星、金星の位置と見え方(印刷用)

最大離角といっても低い位置なので東の空が見通せるところで観察しましょう。

 

10月30日 金星が東方最大離角

金星が東方最大離角となり、太陽から東にいちばん離れて見えます。夕方、西の空に見ることができます。

内惑星の位置と見え方

水星、金星の位置と見え方(印刷用)

2021年10月30日金星が東方最大離角

2021年10月30日金星が東方最大離角(印刷用)

今回は最大離角といってもあまり空高くにはみえません。黄道の地平線に対する傾きが小さいため少し低い位置です。

 

10月の情報(満月の詳細は上記)

4日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)
6日 新月.朔(New Moon)
7日 二日月(Paper Moon)
8日 三日月(Waxing Crescent Moon)
13日 上弦(First Quarter Moon)
18日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
20日 満月(Full Moon),望(Full Buck Moon)
21日 十六夜
22日 立待月
23日 居待月
24日 寝待月

25日 更待月

29日 下弦

 

 

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