あなたのところに大きな望遠鏡がやってくる

2019年(令和元年)7月の星空。土星が衝!と下旬の流星群に注目!

2019年(令和元年)7月の星空【今年の夏は木星と土星!】

7月10日に土星が「衝」となり、夜中の南の空で木星と並んで0.1等と明るくなります。望遠鏡でも見るチャンスとなりますが、観望会は夕方に開催されることが多いので、観望会では7月中旬以降が見るチャンスとなります。ちょうど梅雨あけの時期です。また、日本から見られない南米皆既日食が3日(現地時間の2日)にあり、中国四国西部以西では月没帯食の部分月食が17日に見られますがかなり困難です。

2日、夜明け前の東の空低く、月と金星がならぶ。

2019年7月2日夜明け前の東の空

2019年7月2日夜明け前の東の空(印刷用)

 

3日新月(New Moon)、南米で皆既日食(2日)

この日食は日本からは見られません。ですが、チリ、アルゼンチンなどを皆既食帯が通ります。

 

4日、白昼の火星食(関東、北陸以南):要望遠鏡

4日、月が火星を隠す「火星食」が昼間におこります。東京では15:05に月の暗い部分に隠れ、15:26には明るいところから出てきます。

白昼でしかも月齢1の太陽近くですから誤って太陽に望遠鏡を向けないように気をつけましょう。今回の火星食は観測には要注意です!一般の方には無理は避け、夕方、日没後の水星などのならびを楽しむことをオススメします!

日没後には火星と細い月、水星がならんで見えますのでこちらを楽しむほうがオススメです!

2019年7月4日午後8時ごろの西の空低く

2019年7月4日午後8時ごろの西の空低く(印刷用)

7月10日、土星が「衝」

土星など外惑星の見え方

土星など外惑星の見え方(印刷用)

衝の位置は、夜中に南の空高く見えます。夕方は東の空でまだ低い位置にあります。観望会で好機となるのはこの衝以降、東矩の位置ごろになります。

7月13日~14日、月と木星がならぶ。16日、月と土星がならぶ。

7月13日~14日、月と木星がならんで見えます。木星はマイナス2.5等ととても明るいので月の明るさに負けずに輝いて見えます。木星の位置がかなりアンタレスに近いところにきています。これは8月12まで「逆行」という東から西へと位置を変えていく動きのため、6月よりもアンタレスに近くなります。

16日には、月と土星がならんで見えます。月のすぐ近くに見える星が環のある土星となります。

2019年7月12日~17日、午後8時ごろの南東の空

2019年7月12日~17日、午後8時ごろの南東の空(印刷用)

17日満月、九州、沖縄では月没帯食の部分月食

17日の満月は部分月食となります。しかし、日本からはほとんど見えません。わずかに西日本西部から九州、沖縄で月没時に月食が始まる月没帯食となります。

17日の満月(Full Moon)「Full Buck Moon(フル・バック・ムーン)」その他多数の呼び名が!今月はインドまで!

グル・フル・ムーン 2019年7月16日21時ごろの月

2019年7月17日21時ごろの月

「Full Buck Moon(フル・バック・ムーン)」

北米ネイティブ・アメリカンでは「Full Buck Moon(フル・バック・ムーン)」「雄鹿月」と呼ばれます。意味は雄鹿の新しい角が生えてくる時期だからです。ビロードのような皮を押して新しい枝角が生えてくる季節ということです。日本とは種が違いますからちょっと理解しにくいかもしれません。野生の雄鹿(Buck)の月です。

別名、「Full Thunder Moon(フル・サンダー・ムーン)」,「Full Hay Moon(フル・ハイ・ムーン)」「Full Mead Moon(フル・ミード・ムーン)」「Full Honey Moon(フル・ハニー・ムーン:ハネムーン)」「Full Rose Moon(フル・ローズ・ムーン)」「Guru Full Moon(グル・フル・ムーン)」「Guru Purnima(グル・プルニマ:カレンダーでは16日)」

「Full Thunder Moon(フル・サンダー・ムーン)」

これは雷の月です。北米では暑く乾燥した月なのですがその割りに激しい雷雨が発生する頻度が高いのがこの7月です。この名前も北米大陸の気候を表した月の名前です。日本では7月下旬ごろに積乱雲がよく発生し、龍神祭もこの時期にあります。

「Full Hay Moon(フル・ハイ・ムーン)」

これは「干草月」です。北米とヨーロッパでは乾燥した月、干草の月でもあります。農家の間では当然この名前ということなのですが、一般にもしられていているそうで、それが驚いたのですが・・・「干草アレルギーの季節」として知られているそうです。日本で言えば「花粉症の季節」といったところでしょうか?この知られ方には・・・う~ん複雑ですねぇ・・・。

「Full Mead Moon(フル・ミード・ムーン)」

Meadとは「蜂蜜酒」で蜂蜜やホップ、スパイスなどで造られます。ヨーロッパでは6月下旬ごろにもっとも甘い熟したハチミツが獲れることから、この時期にMeadが造られるということです。(私は飲んだことありませんが・・・)熟した甘いハチミツからこの蜂蜜酒が造られる時期の月という意味だそうです。

「Full Honey Moon(フル・ハニー・ムーン)」

Honey Moon(ハニームーン:ハネムーン)は「蜜月」とも呼ばれますが、甘い新婚生活、新婚旅行の意味で使われる言葉です。本来、ヨーロッパでは夏至の頃、6月下旬ごろに最も甘い蜂蜜が収穫できるのでこの夏至の時期をさしていたらしいのですが、一説によると「June Bride(ジューン・ブライド)」と関係し、結婚して最初に訪れる月、7月を「Honey Moon」と呼ぶようになったそうです。甘いハチミツが熟した頃と考えるとなるほど!となります。

「Full Rose Moon(フル・ローズ・ムーン)」

あれ?この名前は6月では?と思うかもしれません。実はバラの花の意味もありますが、バラの花のように赤く見える月という意味もあります。緯度の高い地域は夏至の頃に月の高さが最も低くなります。夕日が赤く見えるのと同じ理由で、この時期少し赤く見えることから、ヨーロッパの緯度の高い地域では、7月の満月もこう呼ばれることがあります。またヨーロッパでは6月下旬から7月にかけて野生のバラの季節にあたるのでやはりこれも理由になります。

「Guru Full Moon(グル・フル・ムーン)」「Guru Purnima(グル・プルニマ)」(カレンダーでは16日)

これはインド・ネパールのジャイナ教・ヒンドゥー教の呼び名で、「教祖満月」「導師満月」という神聖な満月だそうです。Ashadhaというヒンドゥー暦の満月が「Prunima」でこの日に祭日とされているそうです。Guru Pooja(教祖プージャ)、「導師」を讃える神聖な祭日の満月(Prunima)です。また、ジャイナ教では特にマハヴィーラがゴータマを弟子とし、自らを「グル」としたこと、また仏教でもゴータマ・シッタルーダ(ブッダ)へのオマージュ、仏教開祖の日とされ重要な満月です。今年はインドでこの満月が部分月食となります。

今年はカレンダーでは16日が「グル・プルニマ」です。満月は日本時間では17日の6時38分ですがインドの時差はマイナス3時間30分、ネパールの時差は3時間15分!【時差(標準時)は1時間ごとではないんです!】つまり16日の夜から17日にかけての夜が満月の夜となります。その後17日未明より部分月食となります。ちなみに「グル・プルニマ」の発音は「ニ」にアクセントをつけてインドの方は発音されていました。

インド料理「シタル(富田林)」のランチ(お忙しい中ありがとうございました。)


 

The full moon of 17th  “Full Buck Moon” and many other names! This month to India Name!

「Full Buck Moon」

In North American Native American, it is called “Full Buck Moon”. The meaning is because it is the time when the new horn of a stave grows. It is the season when a velvety skin is pressed to create new antler. The species is different from Japan, so it may be a bit difficult to understand. It is the moon of the wild deer’s (Buck).

「Full Thunder Moon」

This is the moon of thunder. It is a hot and dry month in North America, but it is July that there is a high frequency of severe thunderstorms occurring. This name is also the name of the moon representing the climate of the North American continent. In Japan, cumulonimbus clouds frequently occur in late July, and the ”Ryujin(Dragon) Festival” is also at this time.

「Full Hay Moon」

This is “hay”moon. It is also a dry month in North America and Europe, and a haystack. Of course it is this name among farmers, but it is said that it is generally accepted, but it is astonishing … it is known as “the season of hay fever allergy”. In Japan, is it the season for hay fever? In this known way … Um …

「Full Mead Moon」

Mead is “Honey Liquor” and is made of honey, hops and spices. In Europe, the sweetest ripe honey is harvested in late June, so Mead is built this time. (I have never drank …) It means the moon of the time when this honey liquor is made from ripe sweet honey.

「Full Honey Moon」

Honey Moon is also called “honeymoon”, but it is a term used in the sense of sweet newlywed life and honeymoon. Originally, in the summer solstice in Europe, the sweetest honey can be harvested in late June, so it seems that this summer solstice was mentioned, but according to one theory, it relates to “June Bride”, marriage The first month to visit, July, has come to be called “Honey Moon”. If you think that sweet honey is ripe! It will be.

「Full Rose Moon」

that? Is this name in June? You might think that. Actually, it also means the rose flower, but it also means the moon that looks red like a rose flower. In high latitude areas, the height of the moon is the lowest at the summer solstice. The full moon in July may also be called in high latitude regions of Europe, as it looks a bit red at this time, for the same reason that the sunset looks red. This is also the reason, as it is the season of wild roses in late June and July in Europe.

「Guru Full Moon」「Guru Purnima」 (16 days on the calendar)

This is the name of Jainism and Hinduism in India and Nepal, and it is a sacred full moon called “Guru Full Moon” . It is said that the full moon of Hindu calendar named Ashadha is considered as a holiday on this day by “Purnima”. Guru Pooja is a full moon (Purnima) of a sacred holiday to honor the “Guru”. Also, in Jainism especially Mahavira disciples Gautama as disciple and made himself a “guru”, and in Buddhism it is a day of tribute to Gautama (Buddha), the day of the founding of Buddhism and it is an important full moon. This full moon will be a partial lunar eclipse in India this year.

This year’s calendar on the 16th is “guru purnima”. The full moon is 6:38 on 17th in Japan time, but the time difference of India is minus 3 hours and 30 minutes, and the time difference of Nepal is 3 hours and 15 minutes! [Time difference (standard time) is not every hour! That is, the night of the 16th from the 17th is the night of a full moon. Then it will be a partial lunar eclipse from 17 dawn. By the way, the pronunciation of “guru purnima” was accented with “ni” and the Indian one was pronounced.

31日午前3時ごろ、みずがめ座δ(デルタ)南流星群とやぎ座α(アルファ)流星群が極大(ピーク)

31日午前3時ごろ、みずがめ座δ(デルタ)南流星群とやぎ座α(アルファ)流星群が極大(ピーク)となります。それぞれ1時間あたりの数は数個~十数個程度ですがほかの流星群とあわせればかなり多くの流星を見るチャンスとなります。今年は翌日の8月1日が新月で、明かりの影響がありません。

流星群の放射点(輻射点)の位置2019年7月30日午後11時ごろ

流星群の放射点(輻射点)の位置2019年7月30日午後11時ごろ(印刷用)

30日の夜中には放射点(輻射点)が東の空から昇ります。放射点(輻射点)から各方角に飛んでいくように見えますので、できるだけ広い範囲を見るようにしましょう。30日の夜遅くから31日夜明け前がいちばんのチャンスです。特にやぎ座α(アルファ)流星群は数は少ないものの、明るい流星が出現するので市街地でも見えるときがあります。

7月の月情報(満月の詳細は上記)

  • 3日 新月.朔(New Moon)
  • 5日 二日月(Paper Moon)
  • 6日 三日月(Waxing Crescent Moon)
  • 9日 上弦(First Quarter Moon)
  • 13日 十日夜
  • 15日 十三夜(Waxing Gibbous Moon)
  • 16日 小望月
  • 17日 満月(Full Moon),望(Full Buck Moon<Full Mead Moon,Guru Full Moon・・・>)
  • 18日 十六夜
  • 19日 立待月
  • 20日 居待月(Waning Gibbous Moon)
  • 21日 寝待月
  • 22日 更待月
  • 25日 下弦(Last Quarter Moon)
  • 30日前後 有明の月(Waning Crescent Moon)

 

7月は天候の急変に注意しましょう。山岳地は急な豪雨や土砂崩れにも注意しましょう。また猛暑日は夜の熱中症にも気をつけましょう。

★那須香大阪天文台の星空情報★

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