火星がまだ【大接近】!
まずは火星!9月初旬の火星はまだ大接近の状態です。9月5日の時点でも距離は約7000万km、みかけの大きさも約20秒ありますからまだまだ「大接近」。9月末でも距離は9000万km以下、みかけの大きさも約16秒ですから望遠鏡では環のない土星くらいの大きさに見えます。
そして金星、木星、土星、火星の4つの惑星が大集合!これもまだまだ続いています!そのなかでも金星は9月21日に最大光度となり、明るさもマイナス4.6等にもなります。
その金星は12日~13日にかけて三日月と並んで見えます。
月は14日には木星のすぐそばに並びます。
9月24日 中秋の名月・・・でも満月ではない!?【ハーベストムーン】
9月24日は中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)、「お月見の日」です。満月は翌日の25日ですが、これは昔のカレンダー「旧暦(太陽太陰暦)」の8月15日の月を「中秋の名月」と言うからです。満月は翌日の25日です。お月見は満月と思いがちですが、ずれていることが多いのです。旧暦では新月(朔)の日(月齢0に近い日)を毎月の1日(ついたち)としていましたから、15日は【月齢14】に近い日となります。月の満ち欠けは、約29.5日、およそ30日でひとまわりしますから、その半分の【月齢15】が満月となります。つまり地球から見て新月と逆、太陽のちょうど反対側にくる日と1日ずれることが多いのです。
もひとつは日付が変わるのは夜中、午前0時です。24日の夕方の月齢は14.7、つまり25日の満月月齢15になる日の夜、月齢15.7より月齢15の満月に近いともいえます。そのうえ月の満ち欠けも30日ちょうどではありませんし、月の動きからずれることもあります。ちょうどの満月ではありませんが、月齢14の月は肉眼ではほぼ満月とかわりません。ちなみに9月の月は北米では「Haevest Moon(ハーベスト・ムーン)」25日の満月は「Full Harvest Moon(フル・ハーベスト・ムーン)」と呼びます。9月23日は「秋分の日」北米でもやはりこのころが「収穫(Harvest)」の季節なのです。
月の西には火星も明るく見えます。ぜひながめてみましょう。地上の景色といっしょに見える高さの月が中秋の名月なのです。旧暦では7月、8月、9月が「秋」でした。その「真ん中」が8月「中秋」、さらにその真ん中15日の月が「中秋の名月」ということです。
昔からサトイモの収穫にちなんで「芋名月」と呼んだというお話もありますが、さまざまな食物の収穫祭という意味もあります。ススキをお供えしますが、これも稲の穂の代わりです。昔は今のように品種改良されて台風前に収穫できる米はなかたのでこのころが収穫後、米の収穫祭だったのです。
もうひとつの「お月見」
実は「お月見」は1回ではなくもう1回あるといいます。中秋の名月が「十五夜」とも呼ぶのに対し、旧暦9月13日の月を「十三夜」「後の月」と呼んでいます。今年平成30年(2018年)は10月21日(日)です。
少し欠けていますがこの形から「栗名月」と呼ばれたという話もあるくらいですが、栗や豆の収穫から「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。こちらもやはり秋の収穫祭という意味があるのですね。
お月見の「作法」がある!?
お月見に関するいろいろなお話があります。
月見団子はいろいろ
まず有名な話が月見団子です。関東と関西で違うんですよね。
関西ではあんをまいたものが中心です。これは雲から出た月のイメージとかサトイモのかたちとかいうお話があります。地域によってはあずき入り団子や東海、名古屋あたりでは細長い月見団子もあるそうです。
曇ったり雨が降ったときでも「お月見」は行う!?
秋でなくても日本は天候の変化が大きく、「秋の長雨」もあります。では雲って月が見えないときや雨のときは・・・
お月見は行います!!さきほどの理由のとおり「収穫祭」という意味がありますので雲っても雨が降ってもお月見は行います。月にもいろいろな名前があります。「三日月」「上弦の月」「満月」、そして月が見えないときも「新月」という名前がちゃんとあります。曇って月が見えないときは「無月(むづき)」と呼んでお月見を行います。さすがに雨が降ったら・・・行います!「雨月(うづき)」と呼びます。これは「お花見」と同じで、花や月、自然の景色を眺めながらおいしいものを食べたり飲んだりして楽しむことが「行事」「風習」だからです。雨が降っても夕方には東に、そして夜中には南に月があるなあ・・・と想像しながらお月見をしましょう!
「片見月」は縁起が悪い?
さてお月見はさきほど「旧暦8月15日(十五夜)」「旧暦9月13日(十三夜)」の2回あると言いました。そして地域によっては「片方だけ見るのは縁起が悪い」という迷信があります。これは「ウソ」です!
と言っても理由があるのです。片見月が縁起が悪いというのは、逆に両方お月見をしてください!!という切実な願いがあったからです!お月見は2回してくださいねという意味なのです。そこまで言わなくても・・・と思いますが、それはお月見を2回「行います」から2回ともきてくださいというところがあったからです。
※ここから下は少し「オトナのお話」がありあります。
「天文年鑑」では「理由がいろいろありますが」と書いてありますが・・・それはまあ天文年鑑とかでは書けないですよね。この理由は以下のものです。出典はこれも私の祖父などからです。
昔の「遊郭」、つまり「昔の歓楽街」では夜の一大イベントがお月見でした。盛大に行われたそうです。と言ってもかなりお金がかかるところですからしょっちゅう遊びに来る方は少なく、せめてお月見は着てくださいね!そしてもう一度来月も着てくださいね・・・という・・・まあそういう夜遊びのお願い、お誘いだったのです。「月の日のお大尽(だいじん)」という言葉もありますね。月に一度は盛大に飲み食い遊んでという昔からの「お遊び」だったのです。今のように夜中でもゲーム、インターネットなどいろいろな遊びがなかった時代のお楽しみでもあったのです。
でもせっかくですから「もう一度お月見しませんか・・・」とご家族、ご夫婦、恋人、お友達とお誘いしてはいかがでしょうか?
惑星大集合は続く!
さて惑星大集合はまだ続いています。
12日から13日に三日月とならぶのは金星、14日には木星と月がすぐ近くにならびます。17日に月のそばに見えるのは土星です。そして20日には火星とならんで見えます。
街の中でも月のそばにある星は何かわかれば「あ!あの星が土星か!」と見分けることができます。少し涼しくなった夜空、月のほかの星たちも探してみましょう。
余談ですが私の場合の情報源のひとつ
望遠鏡がなくても、眺めるだけでも夜空は美しいものです。最近はネットで情報が簡単に複製されてどれが正しい情報かわからなくなります。「スーパー・ブルー・ブラッド・ムーン」は流行しましたが、前回7月28日の「ミニマム・バック・ブラッド・ムーン」はどうでしたか?NASAは名前をつけなかった・・・というより北米では見えない皆既月食でしたからね・・・名前は私がつけたものです。でも勝手につけたものではありません。
私の場合やはり公式に出している右の「神宮暦」つまり神宮司庁の暦とアメリカ合衆国版の昔からの暦を参照しております。観望会などのイベントのときに天文年鑑などといっしょに、演壇にさりげなく置いています。見てみてくださいね!