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41cm望遠鏡で【星雲・星団・銀河対応】バリアフリー・システム

「バリアフリー・システム」の概要はこちら

望遠鏡バリアフリーシステム完成!大型望遠鏡を誰にでも!

今まで15cm望遠鏡で実証実験していましたが、本来このシステムは惑星より、口径が生かせる41cm望遠鏡で使うよう設計しました。惑星は20cm望遠鏡や15cm望遠鏡でじゅうぶん見ていただいております。また41cmでの惑星観測はすでに観望会の実地で実用実験済みで、その効果も確認しています。市街地で遠く離れた星雲や星団、そして私たちの太陽系がある、「天の川銀河(銀河系)」の外にある、アンドロメダ銀河などのさらに遠くの銀河を見るときには「口径」がいちばん重要になります。大口径の集光力という「力攻め」が、最も威力を発揮できる対象です。今回はその星雲、星団そして銀河をどのようにして利用できるか、実機でなおかつ市街地で使ってみる必要があります。

観測地は自宅近く、国道が近くにあり、ある程度の広さがあるところ。つまりプラネタリウムや公民館の広場や、学校のグラウンドと同様の条件の場所で行いました。昨日、2018年11月3日、午後7時ごろです。天候はほぼ雲がない快晴、しかし湿度が高く少しかすんだ状態。実際の市街地の観望会と、ほぼ同様の条件です。

肉眼で観察するときの状態

まずは肉眼で観察するときの状態です。アイピースホルダーにアイピース(25mm)を入れています。(使い込んだファインダー、北極調整用のアイピースです。)

この状態でこと座の「ベガ」に向け、アイピース見口にスマホのカメラをつけて写してみると。

アイピースにスマホをつけて手持ち撮影

まあ、こんな感じで、よほど感度の高いカメラでないと肉眼で見たような「キラッ!」と青白く見える美しさが感じられません。

そこでアイピースホルダーごとアイピースを抜いて、アダプターと「赤外線、紫外線カットフィルター」「Wi-Fiアダプター」を装着した「バリアフリー・システム」に差し替えます。システムはデジタル一眼レフを流用していますので、センサーの大きさとカメラ本体の内側の距離もあり、少しピント位置が近いのです。ホルダーごとはずしてもまだ少しピントがボケますのでピント調整を少し行います。

バリアフリー・システム装着時

換装はネジ1本です。アイピース交換と手間は同じです。天体写真撮影用のカメラアダプターでは交換、接続に時間がかかりすぎます。そして端末で無線受信します。今回は観望会用のタブレットではなく(こちらは実験ずみ)私のスマートフォンにアプリを入れ、「インスタグラム」「Facebook」「twitter」の3つのSNSへ「映像をリアルタイムで即アップロード!」でリアルタイム挙動をテストしました。つまり「見ているお客様がいる状態」も検証しました。

まずは「ベガ」をバリアフリー標準設定でデジタル送信しました。

こと座「ベガ」バリアフリー送信映像

ここでは画像を縮小していますが実際はHD画質で見えます。SNSもそのままで配信しました。色、明るさ、そして41cmは斜鏡が4本スポークなので、肉眼のとおり十字に輝いて見えます。背景の市街地の明かりもほぼ、このような状態です。

いよいよ対象の星団、「ペルセウス座二重星団」です。観望会で星団ではまずこれを対象にします。

ペルセウス座二重星団(NGC869右上とNGC884)

41cm望遠鏡は短焦点F4.5ですがそれでも1800mm相当です。広角のアイピースでやっと視野に両方入ります。ちょうど見たままです。これを加算合成したり、RGBフィルターなどで加算すればよく書籍や雑誌などでの写真になります・・・がそれをすれば「バリアフリー」の意味がなくなりますね。見たままを表現するためにフィルターは紫外線・赤外線を除去、つまり「可視光」のみをそのまま通過させるフィルターですので周囲の光もそのままです。

いよいよ「アンドロメダ銀河」です!

アンドロメダ銀河(M31:NGC224)

市街地だと中心部しか見えません。それに41cmだと周辺は視野からはみ出してしまいます。これは空のきれいなところに行くと、よくわかりますが全体を見るのは大きなアイピースが必要です。市街地だと普通の20~40mmくらいのアイピースで中心部だけ入れるほうがわかりやすい・・・というより普通、市街地では見ないですよね。肉眼との比較で、32mmのアイピースと見比べてみましたが、私の視力でほぼこれと同じ見え方でした。ぼんやりとしてまあ「見栄え(インスタ栄え?」はしないのですが、250万光年離れています、つまり250万年かけてやってきた光・・・250万年前からの「生中継」です!と・・・観望会会場で生解説するとこれが効果的!やはり人間同士ライブだと違うんです!

さて、次に観望会での定番は「すばる」「プレアデス星団」なのですが、これは双眼鏡対象。41cmだとほんの一部です。

すばる、プレアデス星団(M45)の一部

まあキラキラきれい!ととりあえず楽しんでいただくにはいいものです。

さて「星雲」ですが、「市街地で見える」星雲だと夏の干潟星雲(M8)、冬のオリオン大星雲(M42)となるのですが秋には適当なのがありません・・・が、北の「ベガ」が見えるなら「ドーナツ星雲:リング星雲(M57)」がある!ですが北西にすでに低く、国道の方角。

ドーナツ星雲:リング星雲(M57)

周囲が明るいので白い空の中ですが、中央少し上に丸く小さな穴があいています!ドーナツ!9等くらいなのですが、輪郭がはっきりしているのでわりと見えるんです。まあ口径が必要なのは確かですが、人気の惑星状星雲なので見えたら「あっ!」となります。

そして二重星のテストに「アルビレオ」に向けてみました。

はくちょう座ベータ星「アルビレオ」

確かに二重星ですが視野が広いので惑星バリアフリーの方がいいかもしれません。

火星に向けると。

星雲・星団・銀河バリアフリーでの火星

望遠鏡の低倍率のとおりまぶしいです。

41cm望遠鏡では「ピントが合うか?」がいちばんの問題でした。ドローチューブを最短に近くしないといけないので、アダプターを結果的には既製品のパーツを改造自作してワンタッチ交換可能にできました。また色の問題があったのですが、赤外線、紫外線カットで、まさに人間の目にあわせることで自然な色になりました。

また「生中継」「ライブ感」「観客との一体感」という成果もありました。SNSでの実況感もありました。

これからの観望会で実際に使ってみてさらに活用方法を広げたいと思います。