2018年10月の星空
いままで投稿にブログ掲載していましたが、資料として利用しやすいように固定ページにも表示してみました。
2018年10月9日 「10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)」ピーク
2018年10月9日の未明から夜明け前にかけて、「10月りゅう座流星群」が極大(ピーク)になると予想されます。ピーク予想時刻は日本時間の午前9時ごろです。昼間になてしまいますが、「10月りゅう座流星群」はピーク時刻が大きくずれることが多いことで知られています。10時間くらい前後することは普通にあります(^^;)
この「10月りゅう座流星群」は以前は「ジャコビニ流星群」という名前で知られていました。歌の名前にもなっていますね。これは1972年に「大流星雨が出現する」と予想され、それが「外れた」ことにより有名になりました。松任谷由実さんの「ジャコビニ彗星の日」という曲が、この流星群のイメージからつくられたことでも有名になったのです。流星群のもとになっている天体が「ジャコビニ・ツィナー彗星(旧名ジャコビニ彗星)」であることからこの名前が広く知られていました。予想がはずれることで逆に知られるようになったこともあり、ジャコビニ流星群は【予想時刻よりかなり早めに観測に入る】ことが恒例となっています。
個人的には1979年10月深夜にジャコビニ流星群のものと考えられる「火球」を肉眼観測しました。これが私が始めて観測した火球でしたので「大きな衝撃」でした。
特徴は「遅い!」
この流星群の特徴は対地速度が遅いことです。つまりゆっくり流れることです。「ふらふら」と流れる流星が特徴です。つまり私が初めて見た火球は「明るい物体がふらふら空を横切ってゆく!」異様なものでした。
当然私は「UFO!」・・・・とは考えずに「大阪市立電気科学館」にアレは何か?と質問に行きました。すると逆に「時間は!方角は!高度は!出現と消失の角度は!」と質問攻めになりました。これが「プラネタリウム」という仕事に目覚めたときだったのです。「プラネタリウムはお客様に話をするだけではなく、お客様から質問を聞いたり、資料を収集したり、研究をや観測をしたりするところでもある。」ということを強く自覚したのです。ともかく遅いのであれが流星か?というくらいと思ってください!
今年は特にチャンス!
2018年は9月10日に「21P/ジャコビニ・ツィナー彗星」が近日点、つまり太陽にいちばん近いところを通過した年です。これは地球の軌道ににいちばん近いところにきたことも意味します。つまり彗星が残した流星物質が多くなることが予想されます。さらにこの日は新月ですので月明かりもありません。絶好の機会になります。ただし、暗い流星も多いので、できたら星空のきれいなところに出かけてみたいものです。
10月11日~12日「月と木星がならぶ」
10月10日、細い月と金星が夕方の西の空低くならび、11日には木星とならぶ位置になります。
木星は金星に次いで明るく見えますので金星は見えにくくなりますが、木星はまだ見ることができます。
10月15日「月と土星がならぶ」18日「月と火星がならぶ」
月は満ちながら位置がかわり、13日にはさそり座の「アンタレス」の上に、15日には土星のすぐ近く、18日には火星のすぐ近くにならびます。夕方の南の空から夜遅くにかけてみることができます。肉眼で見たり、カメラ撮影するチャンスです。
10月21日 「十三夜(じゅうさんや)」
10月21日は旧暦の「九月十三日」、この日の月が「十三夜(じゅうさんや)」「後の月(のちのつき)」「栗名月(くりめいげつ)」と呼ばれています。旧暦八月十五日の「中秋の名月」「十五夜」とともに昔から「お月見」の日として親しまれています。
もう一度「お月見」しましょう!栗の収穫の時期に近いことかと形が満月より欠けて見えることで栗の形に似ていることからも「栗名月」の名前でも知られています。
10月22日「オリオン座流星群」がピーク
10月22日午前2時ごろ「オリオン座流星群」が極大(ピーク)になります。オリオン座流星群は近年は数があまり多くありませんがピーク時間だけではなく21日夜遅くから22日夜明け前、そしてこの前後数日は見える可能性があります。数は多いときでも1時間あたり数個~十数個程度です。
また、今年は明るい月明かりがあります。オリオン座流星群は明るいものが多いことで知られています。市街地や郊外でも見えることがありますので、深夜には気をつけて観測しましょう。
特徴は「早い」「明るい」
10月りゅう座流星群と逆にこちらは速度が速いことで知られています。また明るい「火球」が見られることが多いことでも知られています。月明かりをさけて、できるだけ広い範囲を観察しましょう。月明かりがありますので星空のきれいなところでも空は全体が明るくなります。
以上2018年10月の星空情報でした。なお情報の転載、画像の転載利用は自由です。著作権は那須香大阪天文台で保有しておりますので、転載加工など自由にご利用いただけます。