ふたご座流星群2018年12月14日午後9時ピーク予想!
今年は夕方もは月はありますが、ピーク予想の午後9時ごろは西に低くなり絶好の条件!夕方から見え始め、ほぼ一晩中見えます。寒さ対策をしてじっくりながめて見たいところです。早い時間から見え始めるので今年は市街地でもチャンスがあります!
しばらくは見えますのでまだ1週間ほどチャンスはあります!特に夜中から夜明け前がチャンスです。
【速報】2018年12月14日、市街地でも見えました!!
一晩中がチャンス
「ふたご座流星群」の特徴は、一晩に見える「数の多さ」です。「三大流星群」と呼ばれる「しぶんぎ座流星群(1月5日ごろ)」「ペルセウス座流星群(8月中旬)」「ふたご座流星群(12月中旬)」の中で、しぶんぎ座流星群はピーク時刻の前後2~3時間に集中しますので2019年のように、昼間にピークが来ると極端に数が少なくなります。またペルセウス座流星群のように放射点(輻射点)が北にあると、放射点が昇る午後10時以降にしか見えません。それに比べて「ふたご座流星群」は放射点のあるふたご座が午後7時ごろには東から昇り、夜明け前には西の空にありますので一晩中見えるのです。
夜中にも増えます!地球が進行方向になる夜中もチャンス!風邪をひかないよう、体調にはじゅうぶん気をつけて観察しましょう。特に山などでは積雪、凍結、防寒なども含めて交通にも気をつけてください。
そのうえ「ウィルタネン彗星」も!
流星群のもとになるのは後述の「彗星」が多いのですが(ふたご座流星群は違いますが)、その「彗星」、ウィルタネン彗星(46P)が16日、地球に最接近します。明るさは思ったより明るく4等級になるようです。せっかくならこれも見ましょう!空のいいところで双眼鏡か望遠鏡で見ましょう。
そもそも流星(流れ星)って何?
「流星(流れ星)」と呼んでいますが「星」ではありません。ちょっと話がそれますが、日本では火星や木星も「星」と呼びますが、英語圏では星座の星、つまり恒星は「star」、木星や火星などの惑星は「planet」と区別しています。つまり英語では火星は「star」、「星」ではないということになります。
流星の正体は「砂粒」
宇宙にはたくさんの「天体」があります。太陽のような、星座を作る自ら輝く「恒星(こうせい)」、地球や火星、木星のように恒星のまわりをまわる「惑星」、そして惑星のまわりをまわる月や木星の「ガリレオ衛星」のような「衛星」、そして冥王星に代表される「準惑星」、もっと小さく、探査機「はやぶさ」の目的地となった「イトカワ」、「はやぶさ2」の目的地となった「リュウグウ」のような「小惑星」、そして「ハレー彗星」に代表される「彗星」などです。
しかしそれよりももっと小さく、数ミリから数センチほどの大きさの小さな砂粒のようなものもたくさんあります。もちろん宇宙がそんなもので満たされているわけではありませんが、ところどころに、まばらにそのような小さな砂粒「塵(ちり)」があります。地球の軌道、通り道付近にあるちり、これは流星のもとになるので「流星物質」と呼ばれています。
地球の軌道付近にあるということは、地球に「ぶつかる」こともあるということです。「ぶつかったらたいへん!」・・・いえ大きさが数ミリから数センチです。地球には大気(空気)がありますから、この「流星物質」は地球の大気と衝突して燃え尽きてしまいます。
大気、つまり「空気」と衝突するというのは大したことないと思うかもしれませんが、地球が太陽のまわりをまわる速度は秒速30km、時速にすると約10万8000km!そんな速度で衝突すると大変な衝撃となります。そしてちりの方も同じような速度で運動していますからそれ以上の速度になることもあります。
その衝撃波により高温となり気化(つまり蒸発してしまう)し、一部は高温により「プラズマ」になります。このプラズマはお互いに結びつくのです。
このプラズマが再結合するとき、結びつくときに発光つまり「光る」のです。この光が「流星(流れ星)」となって見えるのです。つまり流星といっても地球の大気の中で光っているのです。
その高度は地上約100km大気圏の中なのです。国際宇宙ステーション(ISS)が地上400kmくらいですから宇宙ステーションから見ると下で光っていることになります。
ちなみに流星はなぜか英語では「meteor」または「shooting star」なのですが・・・こっちは星ではないのに「star」ってついてますね。人から見てどう見えるかですからね。
さて、この「流星物質」は均等にばらまかれているわけではないのです。「流星群」ではない日にも流れ星は見ることができます。これは「散在流星(さんざいりゅうせい)」と呼ばれていて、天の川が見えるようなきれいな空では時々見ることができます。
流星群のもとは「彗星」(ふたご座流星群は別!)
では短期間、時には短時間に集中して数多く見える流れ星、「流星群」はどのようなしくみなのでしょうか?
実はこの流星物質のもとになるものの多くが「彗星」であると考えられています「彗星」「ほうき星」です。
彗星は「ほうき星」とも呼ばれ、有名なのは76年周期で太陽のまわりをまわっている「ハレー彗星」です。この彗星はたくさんあり、太陽に近づくと長い尾が見えることから「ほうき星」とも呼ばれます。
この彗星はもともとこのよう「ほうき」のかたちではありません。
この彗星は「尾」がなくぼんやりしています。これは彗星「本体」が見えているのではなく、彗星のまわりをとりまくガスやちりが見えているのです。彗星本体は氷がほとんどで、大きくても数キロメートルほどしかありません。「天体」としては小さいですね。
氷とちりの彗星
砂がまじった氷が宇宙に!これが彗星の正体です!(私がつくったすなまみれの氷です!)宇宙っぽく背景が黒だとわかりませんね・・・では・・・
「き、汚い・・・」と言わないでくださいね・・・これがあの「ハレー彗星」のような彗星の本体のモデルです!太陽から遠く離れているときにはこのような汚・・・いや塵のまじった氷なのです。
汚いだけではありません!これが太陽に近づくと、氷が解けて蒸発し、中のガスとちりが飛び出します。これが彗星の「尾」なのです。
この写真でも2本、2種類の尾が写っています。上のほうにはやや青い色「イオンの尾(イオン・テイル)」が見えます。これは太陽と反対方向に吹き飛ばされたように見えます。これが気化したガスのイオン化したもの。そしてより明るく白く、下に少し広がったように見えるのが「ダストの尾(ダスト・テイル)」つまりダスト「ちり」なのです。
彗星から流星へ!
さてこの彗星ですが太陽から離れているときは氷とちりのかたまりですが・・・
これが太陽に近づくと氷が溶け、ガスとなり、中のちりも外に出てきます。
そのまま彗星は太陽に近づく軌道に沿って進みます。すると彗星の軌道に沿ってちりが残されます。
名前は「ほうき星」でほうきのかたちですが掃除するのではなく、砂粒、ちりをばらまいていきます!まったく逆です・・・
そして彗星の軌道に沿ってちりのたくさんある「帯」ができます。(ふたご座流星群の場合この帯が太く一様に濃い!)
このちりの帯とに地球が通りかかると・・・たくさんのちりがある中に地球がきますので、当然、たくさんのちりが地球とぶつかります。つまり、流星がたくさん出現する「流星群」となるのです!
ふたご座流星群が毎年見られる理由
この元になる彗星のことを流星群の「母天体(ぼてんたい)」と呼んでいます。有名な流星群と「母天体」の関係では、「ペルセウス座流星群(母天体:スイフト・タットル彗星)」「しし座流星群(母天体:テンペル・タットル彗星)」「ジャコビニ流星群(母天体:ジャコビニ・ツィナー彗星)」「オリオン座流星群(母天体:ハレー彗星)」などがあります。
ふたご座流星群の母天体は「小惑星」「元彗星」
ところが、「ふたご座流星群」の母天体は小惑星「ファエトン」とされていますが、この「ファエトン」はもとは彗星だったものです。「氷」の部分を失った「元彗星」だとされています。つまり大きな彗星だったのですが、すでに非常に大量の流星物質をばらまいて、彗星ではなくなったものです。つまり、ふたご座流星群は極太のベルトのように大量の流星物質(ちり)がばらまかれたあとを地球が通過するときに見られますので、母天体が接近することにあまり関係なくいつも同じ時期に見られるということなのです。大量のちりなので、1回地球が通過しても少なくならない。ありあまるほどのちりがあるところということです。
「流星群」は同じではない!
「三大流星群」と言いました。「しぶんぎ座流星群(1月初旬)」「ペルセウス座流星群(8月中旬)」「ふたご座流星群(12月中旬)」です。その他にも2001年大出現した「しし座流星群」「オリオン座流星群」など流星群はたくさんありますが、それぞれ「特徴」つまり個性があります。
ふたご座流星群の特徴は「速度がほどよい」こと、「中速度」で数が多いことです。つまり最も「見えやすい」ことです!
速度の速い流星の場合
流星物質の軌道、つまり元の彗星の軌道が、進行方向と地球の進行方向が逆の場合、流星の速度も速くなります。ペルセウス座流星群、しし座流星群などの場合このようになり速度が速くなります。
速度の遅い流星の場合
流星物質の進行方向が地球の進行方向と同じ場合、相対的な流星の速度が遅くなります。それでも秒速数万kmほどですから流星にはなりますが「ゆっくり流れる流星」となります。ジャコビニ流星群やきりん座流星群などがこれにあたります。
ふたご座流星群の場合、それほど速くもなく遅くもない。流星らしい流星なので区別は簡単につきます。速過ぎると一瞬で消えてしまいますから、これも見えやすい理由のひとつです。
流れ星の流れたあと「流星痕」
「流星痕(りゅうせいこん)」は明るい流星が流れたあとにしばらく残像のように、ぼんやり雲のように薄く流星の通り道に沿って「痕跡」が見えることです。
「火球(かきゅう)」と呼ばれる明るい流星の後には見えることが特に多いのです。ふたご座流星群はこの「火球」もたまに見られることで知られています。何しろ数が多いのでチャンスも多いのです。そのほかに、まわりが明るくなるほどでなくても、目立つ「大流星」もよくあります。つまり「物量戦」なのです。
ふたご座流星群は「一晩に最も多数の流星が毎年見られる流星群」です。流れ星を見たことがないという方にはオススメの流星群です。寒い時期ですので防寒や凍結、まわりの交通にもじゅうぶん注意して観察しましょう!