昨日は雨、荒れ模様の場所もあったようですから台風後の二次被害には引き続きご注意ください。また、普及作業は足場の不安定な場所での作業となる場合もあります、作業中の事故などもじゅうぶんご注意ください。
昨日は雨でした。少しだけ空の明るいところはあるものの、晴れ間は期待できない天候でした。
今回の台風21号では予備役とはいえ約10年にわたって活躍した旧41cm望遠鏡を使用可能部品確保と、より大きな倒壊事故防止のために解体しました。これは高度軸の高度環ですが、それだけでも下の単三電池と比較すると大きなものです。現在のも同程度ですが、考えてみれば固定で天文台で運用している40cmクラスの望遠鏡は架台も大きなものです。
これだけ重いものをよく使っているものだなぁと思いました。鏡部分やその他部品は現在運用中のものと共用できるものがありますので確保します。
「主力艦の運用は必ず2隻用意しておくこと」昔からの海での鉄則は生かそうと思います。また、こちらも新しい部品で現役に復帰させることも検討しています。
復旧から得ること。
かつて「伊勢湾台風」から近鉄は軌道変更工事を前倒しし、名古屋と大阪を直通させる「名阪特急」を実現させ、それが今、大阪と私が東海地方との縁が深いもとにもなっています。今回も復旧と同時に方針転換を行い、従来望遠鏡のハード面で無理をして行っていたバリアフリーを【大型望遠鏡】に拡大する計画を前倒しします。
昨日、作業中に長く待っていた中国からの多数の電子部品、光学部品が到着しました。アイピースやフィルター、配線用具です。これも運命か・・・
そして最終パターンの電子アイピース実験機が使用できるようになりました。
これは眼視のままでデジタル・バリアフリーに対応できる体制を確保する実験です。
デジタル観測はプロ・アマともに天体観測では常識となっていますが、それはあくまでも【写真撮影】が目的です。精度を確保し、固定した望遠鏡でビデオ撮影などを行い、加工して【天体写真】を【つくる】ためのものです。観望会での運用はまたく条件が違います。
- 眼視観測が基本で必要なときに即座に切り替えできること
- 肉眼観察者と同様の観望映像が、リアルタイムで映像加工なく確保できること。
- 天体観測になじみのない一般の方でも十分視認できること。また望遠鏡も観望用と差異がないこと。
- 観望会の多数の機材と同時に運用できるほど軽量、運用方法も容易なこと。
このようにかなり難易度の高いものが要求されます。いちばんのポイントはリアルタイム、つまり映像加工がなく使えることです。「写真を見る」のと「実物を見る」ことはまったく違うものです。特に今日のようにデジタル加工技術が進むと、写真と本物がかけはなれてしまうことも多くなります。
先日来のテストでアイピース交換式では可能と判断できましたが、今回はアイピースをそのままでのテストとなります。またデジタルセンサー側レンズの交換により、より多様な実験が可能になります。
日本は過去、地震、台風など天候、地象の変化を受け入れて進歩した歴史があります。今回もこれを機会により多くの方に、より多様な方法で宇宙に親しんでいただけるようにしたいと思います。