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火星「準」大接近!2020年10月6日~特設ページ

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2020年10月6日、火星が【最接近】となり、9月中旬から11月、夕方の南東~南の空でとても明るく輝きます。(ほぼ一晩中見られます!)

速報!2020年10月6日、最接近日の火星

前回(2018年)「大接近」の火星映像

2018年の火星接近(合成、加工なし)

2018年の火星接近(合成、加工なし)

 

模様がはっきりしてきたころの火星です。前回2018年もそうでしたが大接近は夏におこり、最接近の7月31日は火星の気候の変化が大きい時期で模様がはっきりしません。(写真は合成加工していません。41cm望遠鏡眼視とほぼ同じです。)

なぜ【接近】するのか?

火星は地球と同じように太陽のまわりをまわる「惑星」です。そして地球の「お隣さん」すぐ外側をまわっています。地球は太陽のまわりをまわる「公転周期」は365日。1年ですね!火星の公転周期は687日です。この周期の違いで地球と火星の距離が大きく変わります。

火星と地球がいちばん近くなるのは地球からみて火星が太陽と反対側にきたとき(この位置を「衝(しょう)」と言います)の前後となります。火星と地球は同じ向きに回っていますから、一度接近(近いところ)すると次に接近するのはおよそ2年2ヶ月後ということになります。この接近と次の接近の期間を「会合周期」と言います。

さらに・・・火星の軌道は「離心率」が大きいことが特徴です。惑星の軌道はどれも「楕円」ですが、地球は「真円」に近い楕円です。「離心率」が大きいということは、火星は太陽から近いところと遠いところの差が大きい楕円という意味なのです。

ということは、同じ接近でも大きく接近するとき「大接近」とあまり大きく接近しないとき「小接近」との差が出てしまいます。さらに地球と火星が接近するのは約2年2ヶ月、ちょうど2年ではなく「2ヶ月」という端数が出ますので、どの位置で接近するかで地球と火星の距離が大きく変わります。

今回、前回の火星接近の違い

このように接近する位置が少ずつずれますから、大接近と小接近の違いが出るのです。大接近になるのは15年から17年ごとになります。

今回はおよそ2年2か月ぶり!

今回の接近は2018年7月31日(大接近)以来の「準」大接近。この「準」の表記はあったほうがいいのかなかったほうがいいのか決まっていないのです。(後述)

 

「接近」と「大接近」の違いは?今回のほうがいいの!?

 

今年、2020年10月6日は「準」大接近と言いますが、2018年は「大接近」。。。では大と小の違いは?というと・・・実は「明確な定義がない」のです!明るく、望遠鏡で見て大きく見えるときが大接近ということくらいです、どうしても基準をということでしたらひとつは距離です。地球との距離が6000万km以内ということなら今回は6208万km、わずかに6000万km以上ですから「大接近」とは言えなくなるのでしょうか?しかし前回2018年の5759万kmからの差はわずかです。

ではみかけの大きさが20秒以上が基準という考え方もありますが、それですと今回の接近も22″(秒)以上これだと「大接近」といえるのでは?ともかく天文学的に決められていることではありません。ということは2020年、今回の接近もみかけの大きさが22秒以上・・・「大接近」ともいえますし、地球との距離が6000万km以上ということなら「準大接近」「ほぼほぼ大接近」「ホボホボスーパーマーズ!」なんてことになります。

今回、前回の火星接近の違い

さらに「大接近」は地球では夏におきてしまうので惑星の高度が低く見えにくい位置になります。また火星の気候も嵐がおきやすい時期と重なってしまいがちなのです。今回の接近は2018年とさほど距離やみかけの大きさが変わらず、地表からの高度も高く見えやすいのです。火星の気候も模様が見えやすい時期でもあるのです。総合的に見ると、2018年の「大接近」より今回の「準」大接近のほうが火星が見えやすくなると言えるのです。

大きさで秒??

この「大きさ」ですが、実際の火星の大きさ、直径はおよそ6800km、地球の半分くらいの大きさです。しかし物は遠くにあるものは小さく、近くにあるものは大きく見えます。その「みかけの大きさ(視直径と言います)」を何度という角度であらわします。わかりやすく言うと「分度器の角度」と考えてみてください。30度よりも60度の方が広い、つまり開いていて大きく見えるということになります。天体の場合は何度というほどでもなくもっと小さいので、「分」「秒」という単位を使います。時間の単位と同じですね。「60秒で1分」「60分で1度」となります。ちなみに月のみかけの大きさはおよそ30分です。

どのくらい見えるの?

さて、ではどのように見えるか!月のように大きく・・・見えるはずがありませんね。先ほどの図のとおり最接近の2020年10月6日で「22.6秒」。月は30分、桁が違いすぎです・・・

では22.6秒がどのくらいか他の天体と比べてみましょう。

まずは縞模様が見える木星です。この木星の視直径はおよそ45秒ということはもっと小さい・・・

木星2018年05月11日視直径44.8秒

ではさらに遠くの土星ではこのときは18秒くらい。それならもっと大きい?と思いがちですが、土星の場合は表面の模様はほとんど見えません、注目されるのは環です。このときの環の視直径はおよそ41秒ありました。木星くらいですね・・・

土星2018年05月11日視直径17.7秒

では前々回2003年の大接近のときの火星と土星、木星をくらべてみましょう。

どうでしょうか?ちなみに木星と土星は今年のもので「毎日の写真」で1枚撮影、つまり望遠鏡でのぞいたとき、火星は何枚もの写真を合成して模様をはっきりした加工写真です。望遠鏡は口径15cmの同じ口径のものです。実際に望遠鏡をのぞくともう少し薄くなります。つまり火星の模様は思ったより見えにくいということになります。アマチュア天文家で動画撮影して合成加工した写真が天文雑誌を飾っていますが、実際にはそのように見えるわけではありません。

でも・・・模様は変わります!火星の1日は地球とほぼ同じ、夕方と、夜中、明け方で見え方が変わります!

火星ってどんな「惑星?」

火星はわりと小さい!直径は地球の半分!(ですから見えにくいのです・・・)

でも北極と南極は目立つ「極冠」

地球と同じく、北極、南極は寒く、氷の「極冠(きょっかん)」というところが見えます。

望遠鏡で見ると、冠をかぶったように見えるので「極冠」と呼んでます。特に大接近のときは上に冠に見えるのですが・・・実は「極冠」は「冠」ではない!なぜかというと、大接近のときに見えるのは「南極冠」です。そう!望遠鏡は上下左右逆に見えます。写真が普及するまではスケッチが主流でしたのでそのまま描くと逆になります。しかも反射望遠鏡はニュートン式がほとんどでしたからちょっと斜めに、ですから「日本の火星の写真は上下左右逆、上が南のことが多いのです!」

実際は

この向きが肉眼で見たときの向きです。NASAなどの惑星探査機の写真は上が北になってます。

火星は寒い!

平均およそマイナス43℃これは寒い地球と違い「温室効果が少ない」からです。なさすぎるのダメなんですね。なぜなら・・・

惑星自身が小さく、重力も小さいのも理由です。これでは窒息です・・・でもわずかな大気で嵐がおこったり砂が舞ったりして模様に変化が生じます。「大きな望遠鏡なら」火星の気象観測も可能なのです!

しかも自転周期が地球とほぼ同じ、でも少しずれていますから、毎日少しずつ見えるところが変わります!もちろん夕方と明け方では見える場所が違いますので観測しがいがあります。気象衛星のようにぐるっと火星を観測なんてできてしまします。「大きな望遠鏡が欲しい!」となってしまいますね・・・

プロがオススメ!「火星接近」の楽しみ方

那須香大阪天文台は30年の観望会経験、のべ約40万人のお客さんの反応、意見があります。そこからどのようにこの火星大接近を楽しめばいいのでしょうか?その楽しみ方をすべてお話しましょう!

火星接近は10月6日だけではない!【9月中旬から11月中旬】です!

実は火星の接近、「大きく見える」は2020年10月6日、1日だけではありません!計算上の最接近のときが10月6日ということです。しばらくあまり変わらず見ることができるのです!めやすとしては「9月中旬から11月中旬」です!11月もまだまだ見えます!しかも前回、2018年の大接近のときは大接近当日の7月31日は火星の地表の嵐があり、8月になってからの方が模様もはっきりして見えやすくなったのです。みかけの大きさも7月31日とほとんど変わりませんでした。

2020年10月の星空情報へ

 

まずは肉眼で「赤く明るい火星」を見ましょう!

大きさしてはあまりよく見えない・・・と聞けばガッカリかもしれませんが、明るさは【マイナス2.6等】これは木星より明るく、暗めの金星ほどの明るさがあります。金星でピンとこなければ、「音が聞こえるほどの高さで空を飛ぶ飛行機」程度の明るさと思っていただくといかに明るいか想像できるでしょう。それが一晩中見えます!

火星の見え方は・・・まずは話題となる10月6日の見え方です。

2020年10月6日午後10時ごろの火星の位置

2020年10月6日午後10時ごろの火星の位置(印刷用)

午後10時には南東にかなり高く見えます!市街地でも建物などがあってもこれくらいの高さならじゅうぶん見えると思います。小さなお子様は夜遅くまでは無理なので、早めに見たいときには火星はまだ南東~東に低く、視界のいいところを狙いましょう!また、10月6日をすぎても11月中旬くらいまで見え方はほとんどかわりませんし、見える時間は早くなります。

さらに10月6日には東側には土星も、さらに東には木星、を見ることもできます。また夜遅くには月も東に見えます。(解説図では東からやや北より)

デジカメ、スマホのカメラで写るか?天体写真に挑戦!

かなり明るいのでスマートフォンのカメラでも写せるはずです。カメラの性能にはメーカー、機種に差が大きく、保証はできませんが、うまくいけば写せると思います。写し方のコツは・・・

  • フラッシュ・照明はOFFにしておく
  • 撮影は人物モードではなく風景や夜景モードなどで
  • 明るさ+/-機能があれば、いちばん+にしておく
  • 手ぶれしないようにカメラを固定しておく
  • セルフタイマー機能でシャッターボタンを押すときの手ぶれを防ぐ

スマホスタンドやスマホ・デジカメ三脚など、100均でもあります!なくても本か箱か何かにもたれかけさせてセルフタイマーでシャッターを押せばOKです!赤く写ればそれこそが火星です!

天体観望会に参加する

やはり望遠鏡で見たい!というときは天体観望会に参加するのがいちばんです。那須香大阪天文台の観望会でしたら大型望遠鏡が出動します。さらに火星についての解説つき・・・みんなとみるのも楽しいものです。那須香大阪天文台のトップページのイベント情報に開催募集イベントを掲載しておりますのでこちらをどうぞ!

http://www.nazca-osaka.org

※今年は新型コロナウィルス拡大防止の対応のため各公共施設の観望会は予約制で定員が少なくなっています(8月30日現在)

 

望遠鏡で観察する

火星の観察には一般によく言われているのが「最低口径15cm以上、できれば20cm以上の望遠鏡」となっています。倍率は関係ありません。天体望遠鏡はレンズや鏡の大きさだけが性能なのです。これは2018年、火星大接近のときにご自分の望遠鏡や天体観望会に参加した方ならおわかりだと思います。

ところが一般に市販されている望遠鏡のほとんどが口径5cmから大きくても8cmほど。これでは火星の模様をじゅうぶんに楽しむというわけにはいきません。ただ今回の接近はかなり大きな接近ですのでわずかに黒っぽい模様くらいは小さく見えるかもしれません。

大きな望遠鏡で火星を存分に楽しみたい!

そんなときは那須香大阪天文台に「観望会出動依頼」をしてください!41cm望遠鏡は大口径で迫力ある姿を!また高精度の20cm望遠鏡は火星観測に活躍した望遠鏡です。もちろん月やその他の天体も見られます。土星も環もバッチリ【一生の記念】になります!大口径ですから12月くらいまで火星を楽しむことができます。しかも操作解説つき!組み立ての手間も不要!しかも費用が格安!

予約はお早めにお願いいたします。すでにかなりの予約が入っております。

観望会の説明についてはこちらへ

予約、お問い合わせフォームはこちらへ

めったにないこのイベントをどうぞお楽しみください!

イベント開催のお問い合わせはフォームまたはこちらへ(留守電にお名前ご連絡先、ご用件で折り返しいたします) TEL 0721-20-0504 電話での天文現象などのお問い合わせはできません。低料金で講演会、質問会の開催ができますのでご依頼ください。

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