2018年(平成30年)11月の星空情報
流星群に惑星と月の接近など!
11月5日~6日「夜明け前に月と金星がならぶ」
夏の夕方西の空に「宵の明星」として見えていた金星は、地球と太陽の間をすりぬけ、夜明け前の東の空に「明けの明星」となります。そして11月5日~6日にかけて細い月とならびます。まだ低い位置ですので月を目印に「宵の明星」金星をさがしてみましょう。これからしだいに夜明け前の東の空で高く見えてきます。
11月7日「水星が東方最大離角」
11月7日、水星が東方最大離角となり、夕方の西の空低くですが、この日の前後が水星を見るチャンスとなります。
水星と金星は地球より太陽の内側をまわっていますので、夜中には見ることができません。そして水星は太陽のすぐ近くをまわっているので、地球からは太陽のすぐ近くの位置にしか見えません。しかし「最大離角」の位置にきたときには比較的見えやすくなります。
11月7日は「東方最大離角」で夕方の西の空低く、夕焼け空に見えます。太陽との角度(離角)は23.3°、明るさはマイナス0.2等ですが、この日大阪での日没は16:59。午後5時30分ごろでも水星の高度は6~7度ほどです。夕焼けの薄明の中ですから西の空が開けたところで見てみましょう。今回は木星が近くに見えますので見つけやすいチャンスです!
11月8日「月と木星がならぶ」11月9日「月と水星がならぶ」
7日に東方最大離角となった水星の近くには木星があります。8日には木星の近くに、9日には水星の近くに細い月が見えます。
日没は午後5時ごろです。午後5時30分ごろでも木星、水星の高度は5度前後ですから、西から南西にかけて開けたところで観察しましょう。また夕焼けのこる空に見えますから、スマートフォンやコンパクトカメラでの写真撮影にはチャンスです。
11月11日~12日「月と土星がならぶ」
11月11日から12日にかけて月と土星がならびます。
11月16日「火星と月がならぶ」
前の図のとおり、16日には月は火星のすぐ近くにならびます。今年大接近で話題になった火星はまだ0等以上の明るさです。月の近くにならぶ様子をみてみましょう。
11月15日「月面X(エックス)」が見える
月面に「X」の模様が見えるときがあるというのが最近話題になています。望遠鏡でないと見ることができなかったのですが、デジタルカメラで20倍ズーム拡大可能な機種が多くなり、望遠鏡がなくても写真撮影できることが多くなりました。
11月15日午後6時30分前後!
上弦のときなのですが、上弦のとき必ずというわけではなく、光のあたり方がちょうどよいときでないと見えません。11月15日の午後6時30分前後がちょうどいい条件となります。昼間だったり上弦の月が沈んだあとだったりすると見えませんので、年に1~4回ほどしかみることができない珍しい「模様」です。
この「月面X」は4つのクレーターの間にできた山のようになったところです。これが横からあたった太陽の光のためにXに見えるものです。同時刻に「月面V」「月面L」も見える・・・と最近火星の顔以外にいろいろ増えてます!
11月18日未明「しし座流星群がピーク」
11月18日午前8時ごろ、「しし座流星群がピーク(極大)」になると予想されます。2001年に大出現したことで有名になりましたが、33年ごと、母天体の「55P/テンペル・タットル彗星」が回帰(接近)した後だけ大出現となります。それ以外の年はピーク時でも1時間あたり数個から十数個程度です。
ただ、速く明るい「火球」がみられることがある流星群ですので、寒さ対策をしてじっくり見てみるとチャンスはあります。18日の未明から夜明け前がピークに近い、いちばんのチャンス日時です。しかも10月中旬から11月下旬には「おうし座北流星群(ピーク予想11月13日ごろ)」「おうし座南流星群(ピーク予想11月6日ごろ)」がみられる時期です。期間が長く、こちらはゆっくりとしたスピードで、「火球」クラスの明るい流星が長い期間みられることで知られています。
秋は「火球」の目撃情報が多い季節です。「火球」はおおむねマイナス4等以上、つまり金星ほど明るいものです。空全体がパッ!と明るくなることもあるくらいです。そこまででなくても明るい流星も多く、空のきれいなところに出かけて見るのもいいですね。11月8日が新月、11月15日が上弦の月で夜中には月が沈みます。